スウェーデンのクラーナ、米IPOで最大12億7000万ドル調達目指す

スウェーデンのフィンテック企業クラーナは2日、米国市場で新規株式公開(IPO)を実施し最大12億7000万ドルの資金調達を目指すと発表した。写真はストックホルムのクラーナ本社。2022年撮影(2025年 ロイター/Supantha Mukherjee)
Manya Saini
[2日 ロイター] - スウェーデンのフィンテック企業クラーナは2日、米国市場で新規株式公開(IPO)を実施し最大12億7000万ドルの資金調達を目指すと発表した。クラーナは「今買って後で支払う(BNPL)」サービスを展開。米シリコンバレーのベンチャーキャピタル大手セコイア・キャピタルが有力株主として支援している。
クラーナと一部の投資家はIPOで最大3430万株を1株当たり35―37ドルで売却する計画だ。
クラーナはストックホルムに拠点を置き、短期融資モデルを通じてオンラインショッピングの姿を変えた。電子商取引(EC)が始まったばかりの段階の2005年に創業され、12年にユニコーン企業(評価額10億ドル以上のベンチャー企業)の仲間入りを果たした。
BNPLサービスは消費者が商品の購入代金を数週間から数カ月にわたり無利子の小口分割払いで支払えるようにする。
クラーナのようなフィンテック企業は、より迅速で柔軟な支払い方法やデジタル先行型のサービスを提供して伝統的な銀行から市場シェアを奪い、特に若年層の支持を集めている。
ただし、BNPLモデルは高インフレ環境でリスクを抱える。信用損失の可能性があり利用者の信用履歴の追跡が限定的なため、収益性を巡る懸念が生じている。
クラーナは25年6月30日時点で、26カ国で1億1100万人の利用者と約79万の加盟業者を抱えている。