西側国家のパレスチナ国家承認、「2国家解決」に道=駐英大使

駐英パレスチナ常駐総代表部のフサム・ゾムロット大使(写真)は2日のロイターのインタビューで、西側諸国が相次いでパレスチナを国家承認していることを評価し、イスラエルとパレスチナが国家として共存する「2国家解決」への道を急ピッチで切り開くとの期待感を示した。ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Hannah McKay)
Kate Holton Ben Makori
[ロンドン 2日 ロイター] - 駐英パレスチナ常駐総代表部のフサム・ゾムロット大使は2日のロイターのインタビューで、西側諸国が相次いでパレスチナを国家承認していることを評価し、イスラエルとパレスチナが国家として共存する「2国家解決」への道を急ピッチで切り開くとの期待感を示した。
ゾムロット氏は「これは2国家解決の実現に向けた行進どころか、ダッシュの始まりを告げる号砲となるだろう」とした上で、「英国が積極的かつ効果的、および意義のある役割を果たすことを期待している」と語った。
英国とフランス、カナダ、オーストラリア、ベルギーはいずれも今月下旬に米ニューヨークの国連本部で開かれる国連総会でパレスチナを国家承認すると表明している。ただ、イスラム組織ハマスとの戦闘を繰り広げているイスラエルによる攻撃で荒廃したパレスチナ自治区ガザを巡り、もしイスラエルが人道支援への強硬姿勢を軟化させ、長期的な和平プロセスに取り組む場合には、英国は国家承認を見送る可能性もある。
ガザへの攻撃が国際的な非難を浴びているイスラエルは、パレスチナを国家承認する動きに対して「ハマスに報いることになる」と強く反発している。
2国家解決案はイスラエルとパレスチナの双方を平和的に共存させ、イスラエルを貫く回廊でガザ地区とヨルダン川西岸地区を結ぶパレスチナ国家を樹立するという構想だ。
ゾムロット氏は、英国が1917年にパレスチナでのユダヤ人国歌建設に賛意を示す「バルフォア宣言」を表明したのを踏まえると、英国の役割が重要になると表明。その上で2国家解決の実現には遅すぎるわけではないとし、パレスチナの国家承認の気運が高まって「(イスラエルへの)十分に意味のある圧力をかけられれば、絶対に実現可能だと保証する」と訴えた。