ロシア、中国へのガス供給拡大へ 新パイプライン建設で合意

9月2日、ロシアの国営ガス会社ガスプロムは、既存パイプラインを通じた中国へのガス供給量を小幅に増やすことで合意した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Vladimir Soldatkin Lidia Kelly
[モスクワ 2日 ロイター] - ロシアの国営ガス会社ガスプロムは2日、中国に天然ガスを追加供給することで合意したほか、大規模な新パイプライン「シベリアの力2」の建設に関する覚書に署名したと発表した。ただ、新パイプラインのガス価格についてはまだ合意していないという。
アレクセイ・ミレル最高経営責任者(CEO)は国内通信社に対し、東シベリアから中国へガスを輸送する既存のパイプライン「シベリアの力」経由の年間供給量を、これまでの380億立方メートルから440億立方メートルに増やすことで合意したと述べた。
「シベリアの力2とモンゴルを通る部分である『ソユーズ・ボストーク』の建設に関する法的拘束力のある覚書が調印された」と説明。しかし、パイプラインを経由して供給されるガスの価格は別途合意されることになるという。
ミレル氏は、中国向けガス価格は欧州向けよりも低い水準になると指摘。距離・地形など建設条件を理由に挙げた。「シベリアの力2」が世界最大規模かつ最も資本集約的なガスプロジェクトになるとの見方も示した。パイプラインの建設主体や最終的な投資額は不明。
北京で行われたプーチン大統領、習近平国家主席、モンゴルのフレルスフ大統領による会談後に述べたという。
ミレル氏によると、極東ルートでのガス供給を100億立方メートルから120億立方メートルに増やすことで合意に達した。
ロシアはウクライナ戦争を受けて欧州で市場シェアが大幅に低下しており、最大の貿易相手国である中国とのエネルギー関係拡大を目指している。