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ウクライナにロの大規模攻撃、米特使「トランプ氏の和平努力損なう」

2025年08月29日(金)10時32分

 8月28日未明、ロシアはウクライナに対し、ミサイルとドローン(無人機)による大規模な攻撃を実施した。写真は攻撃を受けた集合住宅と救助隊員。キーウで同日撮影(2025年 ロイター/Thomas Peter)

Taras Garanich Anastasiia Malenko

[キーウ 28日 ロイター] - ロシアは28日未明、ウクライナに対し、ミサイルとドローン(無人機)による大規模な攻撃を実施した。米政権のケロッグ特使(ウクライナ・ロシア担当)は、トランプ大統領の和平努力を損なうものだと批判した。

首都キーウ(キエフ)の当局者によると、市内では少なくとも23人が死亡した。

ケロッグ特使はXへの投稿で、「標的は兵士や武器ではなく、キーウの住宅地だ。民間列車、欧州連合(EU)と英国の公館、そして罪のない一般市民を攻撃した」と述べた。

ホワイトハウスのレビット報道官は28日、ロシア軍によるキーウに対する大規模な夜間攻撃について、トランプ大統領は驚いてないものの、「不満に感じている」と明らかにした。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、トランプ氏が戦争を終結させようと努力する中、今回の大規模攻撃は外交に対するロシアの答えを世界に示すものだと指摘。「ロシアは交渉のテーブルの代わりに弾道弾を選んだ」、「ロシアは戦争を終わらせる代わりに殺りくを続けることを選んだ」とXに投稿し、対ロ追加制裁を呼びかけた。

今回の攻撃は2022年の全面侵攻開始以来2番目の規模だという。

EUと英国はロシアの特使を呼び抗議した。どちらの現場でも死傷者の報告はなかった。

ゼレンスキー氏によると、攻撃によりトルコの企業とアゼルバイジャン大使館も被害を受けた。

レビット氏はこの状況を巡りトランプ氏が後ほど詳しく述べるとした。また、ロシアの攻撃で死者が相次いでいるほか、ウクライナによる8月の攻撃でロシアの石油精製施設に大きな被害が出ていると指摘。「おそらく双方は戦争を自ら終わらせる準備ができていないのだろう」とし、「トランプ大統領は戦争終結を望んでいるが、両国のリーダーが戦争を終わらせる必要があり、終結を望む必要がある」と述べた。

EUのフォンデアライエン欧州委員長は「ロシアはウクライナを恐怖に陥れるためなら手段を選ばず、民間人を盲目的に殺害し、EUさえも標的にするつもりだ」とし、20秒内に2発のミサイルがEU事務所付近に着弾したと述べた。

また、EU諸国が近く、ロシアに対する制裁第19弾をまとめるとし、凍結されたロシア資産をウクライナ支援に活用する方法を巡り作業を進めていると明らかにした。

一方、ロシアは、今回の攻撃で軍事産業施設と空軍基地に打撃を与えたと発表した。ウクライナがロシアの標的を攻撃したとも述べた。ロシアは和平交渉に依然として関心があるとした。

キーウへの攻撃では爆発音が鳴り響き、煙が夜空に立ち上がった。上空ではドローンが旋回していた。

クリチコ市長はここ数カ月で最大規模の攻撃だと述べた。当局者らによると、数時間にわたる攻撃で少なくとも63人が負傷し、市内全地区の建物が被害を受けた。

ウクライナ全土でインフラや鉄道施設が攻撃対象となり、同国軍によると13カ所に及んだ。ウクライナ国営送電会社ウクレネルゴによると、エネルギー施設も攻撃され、停電が発生した。

ロイター
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