脱炭素の銀行連合、組織構造を大幅見直しへ 日米欧大手銀の離脱で

脱炭素を目指す国際的な銀行連合「ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)」」は27日、大手銀行が相次いで離脱しているため組織構造を大幅に見直し「加盟ベースの同盟」から「枠組みイニシアチブ」に改める計画を発表した。写真は気候変動の危機を訴える学生。2019年ノルウェーのオスロで撮影(2025年 ロイター/Nerijus Adomaitis)
Simon Jessop
[ロンドン 27日 ロイター] - 脱炭素を目指す国際的な銀行連合「ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)」」は27日、大手銀行が相次いで離脱しているため組織構造を大幅に見直し「加盟ベースの同盟」から「枠組みイニシアチブ」に改める計画を発表した。加盟行は9月末までに今回の提案について投票で決める予定だ。
NZBAは2021年、英グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)を前に設立された。
NZBAが公式サイトに発表した声明によると、運営委員会は地球温暖化対策の国際枠組みである2015年のパリ協定に沿った形で「実体経済の移行」を加速させるため、銀行を支援し続けるには提案モデルが最善だと考えるとしている。
加盟銀行はこれまで、30年までに二酸化炭素の排出量が多い部門で排出削減の中間目標を設定して進ちょく状況を毎年報告し、50年までに排出量実質ゼロを達成することが義務付けられていた。
多くの大手銀行は一部の米共和党議員らから圧力を受けてグループを離脱した。米共和党議員らは加盟が独占禁止法違反とみなされる可能性があると主張した。
スイスのUBSは8月初めに離脱。その直前には英バークレイズやHSBCも脱退した。さらに数カ月前に米国、カナダ、オーストラリア、日本の大手銀行も離れていた。