米のガザ出身者ビザ停止、重傷の子どもに弊害と支援団体が批判

米国務省がパレスチナ自治区ガザ出身者への査証（ビザ）発給を停止したことについて、米慈善団体「ＨＥＡＬパレスチナ」など複数の人権団体は１８日、重傷を負い、米国に短期滞在して医療措置を受けたい子どもたちに弊害をもたらす措置だと批判した。写真はヨルダンで医療支援を受ける、パレスチナ人の子ども。３月４日撮影（２０２５年　ロイター/Alaa Al Sukhni）

Kanishka Singh

[ワシントン １８日 ロイター] - 米国務省がパレスチナ自治区ガザ出身者への査証（ビザ）発給を停止したことについて、米慈善団体「ＨＥＡＬパレスチナ」など複数の人権団体は１８日、重傷を負い、米国に短期滞在して医療措置を受けたい子どもたちに弊害をもたらす措置だと批判した。

極右の陰謀論者ローラ・ルーマー氏が、パレスチナ人難民が米国に入っていると主張したのを受け、国務省は１６日、全面的な調査を行う間はガザ市民へのビザ発給を全面停止すると発表した。

ＨＥＡＬパレスチナは声明で、ルーマー氏が主張する難民再定住プログラムは存在せず、同団体の活動は医療的治療プログラムの一環だと説明。また、プログラムは寄付で運営されており、米政府の資金は使用されていないと指摘した。

ＨＥＡＬは「地元では受けられない緊急の治療を受けさせるため、重傷を負った子どもたちを一時的なビザで米国に連れてきた。治療が完了すると、子どもたち、そして同行する家族は中東に戻る」とした。

国務省は、ここ数日でガザ出身者に少数の一時的な医療・人道ビザを発給したと説明したが、数字は示さなかった。