インド貿易赤字、7月は8カ月ぶり高水準に

8月14日、インド政府が発表した7月のモノの貿易赤字は273億5000万ドルとなり、8カ月ぶりの高水準となった。インド・グジャラートで2017年2月撮影(2025年 ロイター/Amit Dave)
Manoj Kumar Nikunj Ohri
[ニューデリー 14日 ロイター] - インド政府が14日発表した7月のモノの貿易赤字は273億5000万ドルとなり、8カ月ぶりの高水準となった。エコノミストらの市場予想の203億5000万ドルを上回り、6月の187億8000万ドルから増加した。
7月は輸入が急増し、トランプ米政権が8月にインドからの輸入品の関税を引き上げるのを前にした輸出の拡大を上回ったのが要因。
同時に発表された4─7月の米国への輸出は335億3000万ドルとなり、前年同期(275億7000万ドル)から21.6%増えた。米国からの輸入は174億1000万ドルと、前年同期の155億ドルから膨らんだ。
トランプ米大統領は先週、インドがロシア産原油を直接または間接的に輸入しているとして、インドからの輸入品に25%の追加関税を課す大統領令に署名した。これまでに発表している25%の相互関税に上乗せされ、最大50%の関税が課されることになる。今月末までに発効する可能性があり、米国の貿易相手国の中でも最も高い水準となる。
インド外務省の報道官は、相互尊重と共通の利益に基づいて米国との関係を前進させることを希望していると言及。米国側が求めている軍事装備品の購入も、既定の手続きに沿って進んでいると説明した。
ロイターは複数の物流企業幹部の話として、米国の小売業者が輸入品の税率引き上げ前に中国製品などの在庫上積みを急いだため、7月に米国のモノの輸入が過去最高に達した可能性があると報じた。
<輸入急増>
インドは7月のモノとサービスを合わせた輸出が増加し、エンジニアリング製品や電子機器、宝石・宝飾品がけん引した。
モノの輸出は372億4000万ドルとなり、6月の351億4000万ドルから増加。輸入は645億9000万ドルと6月の539億2000万ドルから急増し、ヒンズー教の祝祭ディワリ(光の祭典)を控えての需要拡大が押し上げ要因となった。
原油の輸入は155億ドルと6月の137億ドルから増加し、金の輸入は39億ドルと6月の18億ドルから大きく伸びた。