インドと中国がトランプ関税対抗で関係強化模索、来週は王毅外相が訪印

インドと中国は領土問題などで対立し、地政学的・経済的にも競争を続けてきたが、トランプ米大統領による貿易戦争に対抗するためひそかに関係を強化しつつある。写真は中国の習近平国家主席とインドのモディ首相。2024年10月、ロシアのカザンで撮影。China Daily提供(2025年 ロイター)
Shivam Patel Liz Lee
[ニューデリー/北京 14日 ロイター] - インドと中国は領土問題などで対立し、地政学的・経済的にも競争を続けてきたが、トランプ米大統領による貿易戦争に対抗するためひそかに関係を強化しつつある。
事情に詳しい2人の関係者によると、中国の王毅外相は来週、インド首都ニューデリーを訪れてドバル国家安全保障補佐官とヒマラヤ山脈地帯の国境線問題について協議する予定。こうした会談は、ヒマラヤ西部ラダック地方のガルワン渓谷で起きた2020年の両国による軍事衝突以降で2回目となる。
一方インドのモディ首相は、今月末に中国で開催される上海協力機構(SCO)首脳会議に出席し、習近平国家主席と会談する。モディ氏の訪中は7年ぶりだ。
こうした動きの背景には、米国の関税措置がある。トランプ氏はインド製品に対して、米国の戦略的パートナーとしては最も高水準に区分される50%の関税を課し、中国との間では一部追加関税の停止措置を90日間延長したものの、貿易協議はまだまとまっていない。
インドと中国は既に昨年10月、国境地帯のパトロールに関する取り決めに合意し、外交関係に融和ムードが生まれるとともに、二国間の貿易や投資、航空機の往来などの足かせが取り除かれていた。