イスラエル超正統派が連立離脱、徴兵法案巡り 過半数辛うじて維持

イスラエルの超正統派政党「ユダヤ教トーラ連合(UTJ)」は、ユダヤ教神学校生徒の兵役免除を定める法案起草が進んでいないとして、連立政権を離脱すると表明した。写真は2023年3月、エルサレムのイスラエル議会で撮影(2025年 ロイター/Ronen Zvulun)
Steven Scheer
[エルサレム 15日 ロイター] - イスラエルの超正統派政党「ユダヤ教トーラ連合(UTJ)」は、ユダヤ教神学校生徒の兵役免除を定める法案起草が進んでいないとして、連立政権を離脱すると表明した。
UTJの代表は既に1カ月前に離脱しており、同党所属議員7人のうち残る6人が新たに離脱を表明した。
これにより、ネタニヤフ政権が握る国会(定数120)の議席は61に減り、過半数ぎりぎりとなる。
もう一つの超正統派政党「シャス」も追随して離脱するかどうかは不明だ。
UTJを構成する派閥は声明で、神学校生徒の地位を保障するという約束を政府が繰り返し破ったことが離脱の理由だと説明した。
超正統派政党は、神学校生徒の兵役免除を定める法案が2022年に連立参加で合意した際の重要な約束だったと主張し、以前から離脱を警告してきた。一方、政権内では兵役免除の全面廃止を求める声もある。
超正統派ユダヤ教徒は長年にわたり兵役を免除されてきたが、最高裁は昨年、国防省にこの慣行を廃止し、神学校生徒の徴兵を開始するよう命じた。