カナダ、全省庁に歳出抑制の取り組み要請 予算節約や既存政策見直しなど

7月7日、カナダのシャンパーニュ財務相は、全省庁に対して圧縮可能な予算のあぶり出しや既存政策の見直し、仕事の重複解消、重点分野への優先的な資金配分などに取り組むよう要請した。ケベック州ラマルベーで3月12日撮影(2025年 ロイター/Mathieu Belanger)
[7日 ロイター] - カナダのシャンパーニュ財務相は、全省庁に対して圧縮可能な予算のあぶり出しや既存政策の見直し、仕事の重複解消、重点分野への優先的な資金配分などに取り組むよう要請した。政府高官の1人が7日明らかにした。
シャンパーニュ氏と国家財政委員会のアリ委員長がこうした内容の2通の書簡を各省庁に送り、歳出抑制と財政規律の徹底を目指しているという。
カーニー首相は、防衛費や住宅建設などへ新たに多額の予算を振り向けると約束しているが、2028-29年度予算までに財政収支を均衡させるという目標も打ち出した。
そうした目標達成の具体的手段はまだ明らかになっていないが、大規模な予算節減ないし相当規模の経済成長がなければ、増大を続ける歳出拡大圧力によって高水準の財政赤字が続く、というのがエコノミストの見立てだ。
政府高官は、カーニー氏の方針は歳出削減と投資拡大にあると指摘した上で、さまざまな法案や政策措置を通じて投資が後押しされた今、焦点は歳出を減らすことにあると説明。財務省としては全省庁に単年度だけでなく長期的な予算節約の道筋を見つけ出すよう促していると付け加えた。
各省庁は26-27年度中には歳出プログラムの7.5%、27-28年度は同10%、それ以降は同15%を節減することが求められている。
財務省は今年度予算案を策定中で、10月初めに議会へ提出される公算が大きい。