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欧州の防衛費増額、政府信用力に影響も=格付け会社スコープ

2025年06月30日(月)08時32分

Yoruk Bahceli

[ロンドン 27日 ロイター] - 欧州の格付け会社スコープは27日、欧州諸国の防衛費増額について、他の支出を減らすか歳入を増やさない限り、政府の信用力が低下すると指摘した。

北大西洋条約機構(NATO)は25日、オランダのハーグで開いた首脳会議で、2035年までに加盟各国の防衛支出を国内総生産(GDP)比5%に引き上げる目標を承認した。

スコープのアナリストは30日公表予定のリポートで「国防支出の増加は、各国政府が他の支出を減らすか歳入を増やさない限り、大半の欧州連合(EU)で借入増加と債務の対GDP比悪化につながり、結果的にソブリン信用力が低下する」と述べた。

すでにEUの財政赤字是正措置に直面しているフランス、ベルギー、イタリアなどでは、圧力が大幅に高まると指摘。

こうした財政上の制約を受け、防衛費がEUレベルにシフトする可能性があるとし「EUの安全保障・防衛の資金調達を中央集権化すれば、加盟国全体でより持続可能かつ協調的な資金調達が可能になり、防衛・安全保障分野の調達で規模の経済も実現できる」と述べた。

EUは共同の資金調達で防衛プロジェクト向けに最大1500億ユーロ(約1758億5000万ドル)の基金を創設する方針だが、エコノミストは、今後さらに共同の資金調達が必要になる可能性が高いと分析している。

ロイター
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