ニュース速報
ワールド

米支援のガザ援助は「人々を殺している」、国連総長が批判

2025年06月30日(月)08時27分

グテレス国連事務総長は6月27日、イスラエルが主導して米国が支援するパレスチナ自治区ガザの人道援助活動が「人々を殺している」と強く批判した。10日、仏ニースで撮影(2025年 ロイター/Manon Cruz)

Michelle Nichols

[国連 27日 ロイター] - グテレス国連事務総長は27日、イスラエルが主導して米国が支援するパレスチナ自治区ガザの人道援助活動が「人々を殺している」と強く批判した。

イスラエルと米国は国連にガザ人道財団(GHF)を通じた活動を求めているが、国連はその中立性を巡り拒否。援助を軍事化し、移住を強制するものだと非難している。

グテレス氏は記者団に「絶望的な市民を軍事化された地域に誘導するような活動は本質的に安全ではない。それは人々を殺している」と指摘。「自身と家族に食料を与えようとするだけで人々が殺されている。食料を求めることが死刑宣告であってはならない」とし、「今こそ、ガザ停戦のために政治的な勇気を見いだす時だ」と訴えた。

イスラエルは11週間にわたる援助封鎖を5月19日に解除したが、それ以降にガザ市民400人以上が援助物資を求めて配給拠点に向かう中で死亡した。

イスラエル外務省はグテレス氏の主張に反論し、軍が民間人を標的にすることは決してないと述べた。GHFの広報担当は、物資配布場所やその周辺で死者は出ていないと語った。

GHFは米民間警備会社や物流会社と協力して活動。5月末からガザで活動を開始し、これまで4800万食余りを提供したという。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

高島屋、150億円を上限に自社株買い 発行済み株式

ビジネス

アングル:日本の「事故物件」、海外投資家も注目 不

ワールド

ダライ・ラマ、後継者計画を発表へ 90歳の誕生日控

ワールド

インドの対米通商交渉、農業は「譲れない一線」=財務
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    メーガン妃への「悪意ある中傷」を今すぐにやめなく…
  • 5
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 6
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
  • 7
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 8
    自撮り動画を見て、体の一部に「不自然な変形」を発…
  • 9
    突出した知的能力や創造性を持つ「ギフテッド」を埋…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 3
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 4
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 9
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中