米、メキシコ金融3社に制裁 麻薬絡みの資金洗浄の疑い

米財務省は25日、メキシコを拠点とする金融機関3社との一部取引を禁じる制裁措置を発表した。写真はワシントンで2023年1月撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
[25日 ロイター] - 米財務省は25日、メキシコを拠点とする金融機関3社との一部取引を禁じる制裁措置を発表した。合成麻薬「フェンタニル」の米国流入に絡んだマネーロンダリング(資金洗浄)に3社が関わった疑い。
財務省傘下の金融犯罪取り締まりネットワーク(FinCEN)が銀行のCIバンコとインテルカム・バンコ、証券会社のベクター・カサ・デル・ボルサを制裁対象に指定。フェンタニル制裁法などの法令に基づく初の制裁となる。
専門家によると、この制裁は比較的小さな金融機関を対象としているものの、銀行間の相互関連性と米国との密接な関係を踏まえれば、メキシコの金融システムに大きな影響を与える可能性がある。
財務省当局者は記者団に対し、FinCENの制裁は同省の他の制裁のように資産を凍結したり、ドル建ての国際取引を全て禁じたりするものではないが、3社のメキシコの拠点と米国との取引は禁止されると語った。米金融システムから締め出すのと似た効果があるとしている。
同省は3社が「メキシコを拠点とする(麻薬)カルテルのために何百万ドルの資金を洗浄し、フェンタニルの原料となる化学物質を調達するための支払いを促進する上で、長年にわたり重要な役割を果たしてきた」と説明した。
メキシコ財務省は声明で、FinCENの調査について連絡を受け、米財務省に3社の違法行為の証拠を示すよう求めたが、決定的な情報は受け取っていないと述べた。