焦点:昨夏の市場暴落再来に警戒感、大口投資家が備え強化

6月26日、大口投資家は薄商いとなる夏場に昨年8月のような市場暴落が再び起きることを警戒し、例年以上に慎重に準備を進めている。ニューヨーク証券取引所(NYSE)のフロアで5月12日撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)
Naomi Rovnick Amanda Cooper
[ロンドン 26日 ロイター] - 大口投資家は薄商いとなる夏場に昨年8月のような市場暴落が再び起きることを警戒し、例年以上に慎重に準備を進めている。
世界的な成長懸念が世界中の資産価格を大きく変動させた1年前の売りで打撃を受けた投資家は、イスラエルとイランの脆弱な停戦、不安定な原油価格、貿易戦争の不透明感を背景に、株式・債券・為替市場が脆弱になっていると見なしている。
資産運用各社はポートフォリオの保護措置を強化。HSBCアセット・マネジメントのグローバル最高投資責任者(CIO)、ザビエル・バラトン氏は、今後3カ月を巡って市場がポジティブな確証を得られないという前提でポジションを構築していると説明。株価下落に備えプットオプションを購入しているという。
ゴールドマン・サックスの資産運用担当者らは先週のプレゼンテーションで、市場の売りシナリオに対するプロテクションを強化するよう推奨した。
<近づく7月9日>
米欧の関税協定期限である7月9日が近づき、これまでのところ進展が乏しい中、英資産運用最大手LGIMでマルチアセット戦略担当責任者を務めるクリス・ジェフェリー氏は、期限に向けてプロテクションを求める意欲が強まる可能性があると話す。
今年に入ってから7%上昇している世界株価指数は今週、過去最高値を更新。S&P500指数に対する市場の予想ボラティリティーを示す恐怖指数(VIX)は18を下回り、4月の52から低下している。
それでも、7月9日をカバーする期間1カ月のVIX先物は、VIXに対して1.5ポイント前後のプレミアムを付けており、市場心理の悪化を予想するシグナルとなっている。
HSBCのバラトン氏は、トランプ米大統領の予測不可能性は依然として大きな市場リスクだと指摘する。
<ドル安トレンド反転も>
UBSによれば約7000億ドルの資産を運用するボラティリティー・コントロール・ファンドは、VIXが下がると株を買い、急上昇すると売ることが多い。これは昨年8月の暴落の原因として挙げられている。
ロイヤル・ロンドン・アセット・マネジメントのマルチアセット担当責任者トレバー・グリーサム氏によると、市場変動に対する顧客のエクスポージャーを制限するために使用しているコンピュータープログラムが株式買いを促すサインを感知しているが、ここ数週間はそれに従わないことを決め、一方でポートフォリオのリスクを管理するため幾つかの銘柄を売却した。
また、ゴールドマンの資産運用パートナー、サイモン・ダングーア氏は、オイルショックがドルを押し上げ、ドル安トレンドにあるというコンセンサスを覆す可能性があると警告。先週のプレゼンテーションで「もし原油市場で非常に大きな混乱が起きれば、それこそリスクオフの環境に向かってドルが上昇するようなショックになる」と述べた。
確かに、中東情勢の緊張はここ数日で緩和されたとはいえ、同地域のリスク、特にホルムズ海峡の航路が寸断される可能性には依然として注目が集まっている。
6月の原油価格は1バレル=63─81ドルの間で変動し、過去15年間で最も不安定な月の一つとなった。原油価格の予想変動指数は2022年9月以来の高水準付近にある。
UBSの欧州株式戦略担当責任者ジェリー・ファウラー氏によると、オプション価格はデリバティブトレーダーが昨年8月のようなボラ上昇に賭けていることを示唆している。
同氏は休暇には理想的な時期ではないかもしれないと警告。「この夏がカタリスト(相場変動材料)に満ちていることを誰もが知っていることを考えると、今年休暇を過ごす人はかなり少なくなるだろう」と語った。
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