雇用市場減速しているがインフレ見通しは不透明=英中銀総裁

イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁(写真)は26日、最近のインフレ率上昇で物価上昇の中期的な見通しに不確実性が高まった一方で、雇用市場には減速の兆候が見られると指摘した。5月撮影(2025年 ロイター/Clodagh Kilcoyne/File Photo)
[ロンドン 26日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は26日、最近のインフレ率上昇で物価上昇の中期的な見通しに不確実性が高まった一方で、雇用市場には減速の兆候が見られると指摘した。
総裁は英商業会議所主催の会議で講演、「ここ数カ月で特に労働市場で緩みの開きの証左が強まっている」とした上で、「しかし経済全体の需給バランスとインフレの持続性について依然として不確実性が残る」と述べた。
総裁は中銀の金利に関するガイダンスを繰り返し、事前に設定された道筋はないが、徐々に下がる可能性が高いと語った。
市場では中銀が年末までに0.25%の利下げを2回実施し3.75%となると見込んでいる。
世界的な不確実性の高まりが引き続き英国経済に影響を及ぼしているが、貿易政策が世界の生産に与える直接的な影響は、当初考えられていたよりも小さい可能性があると指摘。
「中東の紛争激化で原油価格が大きく動いたが、必ずしも直感的に予想した方向にいつも動いたわけではなかった」とし、「今日の世界情勢が予測不可能であることを示す」と述べた。