イラン、カタールの米空軍基地に報復攻撃 米国に事前に通知し死傷者なし

ロイターの目撃者によると、カタールの首都ドーハ上空で23日、複数の爆発音が聞こえた。18日撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ドバイ/ドーハ/イスタンブール/テルアビブ/ワシントン 23日 ロイター] - イランは23日、カタールのアルウデイド米軍基地に対し「壊滅的かつ強力な」ミサイル攻撃を行ったと発表した。米国によるイラン核施設空爆への報復攻撃となる。
トランプ米大統領は、イランがカタールの米軍基地にミサイルを発射する前に米国に事前通告を行ったと述べ、これにより人命が失われることがなかったと表明。「事前通告をしてくれたイランに感謝したい」とし、「これにより人命が失われることも、負傷者が出ることもなかった」と自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。
その上で「イランは今後、地域の平和と調和に向けて進むことができるだろう」とし、「イスラエルにも同様にするよう積極的に働きかけたい」と書き込んだ。
こうした中、イランの最高指導者ハメネイ師は、Xへの投稿で「われわれは誰に対しても攻撃を仕掛けていない。いかなる状況下でも、誰からの侵略も受け入れない」と表明。イラン軍は声明で、いかなる状況下においてもイラン領土へのいかなる攻撃に対し報復すると言明したほか、イラン高官はロイターに対し、米国の攻撃に対する報復を継続するとし、米国が交渉を行うことを要請するならイスラエルと米国による攻撃が停止されなければならないと述べた。
匿名の当局者によると、イランの攻撃は短距離および中距離弾道ミサイルによって実行された。 カタールの国防相はアルジャジーラTVに対し、同国の防空システムがアルウデイド基地に対するミサイルを迎撃したと語った。カタール当局者は、死傷者は出ていないとしつつも、イランの攻撃を非難し、対応する権利を有すると表明した。
また、イラクの米空軍基地でも、防空システムが作動したと、米軍筋が明らかにした。
これに先立ち、米当局者はイランが1─2日以内に中東地域の米軍基地に報復攻撃を行う可能性があると述べていた。
また、在カタールの米・英大使館は同日、カタールに居住・滞在する市民に対し、追って通知があるまで避難場所にとどまるよう勧告。米国はその後、勧告を解除した。カタール外務省は、住民らの安全確保を目的に、領空を一時的に閉鎖したと発表していた。