米の不当な攻撃、「世界を危険にさらす」とプーチン氏 イラン外相と会談

ロシアのプーチン大統領は23日、同国を訪問したイランのアラグチ外相と会談した。提供写真(2025年 ロイター/Sputnik)
Dmitry Antonov Marina Bobrova
[モスクワ 23日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は23日、同国を訪問したイランのアラグチ外相と会談した。米国によるイランの核施設に対する「正当化されない」攻撃によって、世界を大きな危険にさらしているという認識を示した。
プーチン氏は、「イランに対するいわれのない攻撃には根拠も正当性もない」と指摘し、「われわれは、イラン国民の支援に取り組んでいる」と述べた。
アラグチ氏は、イランは正当な自衛を行っていると説明。プーチン氏が米国の攻撃を非難したことに謝意を示し、「ロシアは今日、歴史と国際法の正しい側にいる」と述べた。
ロシアが、イランに対しどのような支援を行うかは現時点で不明。両国は今年1月に包括的戦略的パートナシップ協定に署名したが、協定には相互防衛条項は含まれていない。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は、イランにどのような支援をするつもりかとの質問に「イランが何を必要としているかによる」と述べ、ロシア政府が危機の調停を申し出たこと自体が支援の一形態だとした。
同報道官は米国の攻撃を非難し、「この紛争への参加者が増えている。この地域の緊張をエスカレートさせる新たなスパイラルが起きている」と指摘した。
米国の対イラン攻撃に関し、トランプ米大統領からプーチン氏に事前に詳しい攻撃計画の説明はなかったという。「イランの件は、両大統領の直近の会話で繰り返し話し合われ、ロシア側から提案も出していたが、これに関する直接的な詳細情報はなかった」と述べた。
また、複数のロシア通信社によると、リャプコフ外務次官は、イランには完全な自衛権があり、ロシアとイランの戦略的パートナーシップは「鉄壁」と述べた。
イランがロシアに軍事支援を要請したかという質問に対しては、ロシアは複数の分野でイランと協力しているとした上で、両国の協力を巡る詳細を明らかにするのは無責任と応じた。