ニュース速報
ワールド

イランのフォルドゥ核施設、「非常に重大な」損害予想=IAEA

2025年06月23日(月)20時01分

国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は23日、米軍が22日に空爆したイラン中部フォルドゥのウラン濃縮施設について、地下部分に「非常に重大な」損害が発生したと予想されるが、「現時点ではIAEAも含め、誰も被害を完全に把握できる立場にない」と述べた。フォルドゥの衛星写真、提供写真(2025年 ロイター/MAXAR TECHNOLOGIES)

Francois Murphy

[ウィーン 23日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は23日、米軍が22日に空爆したイラン中部フォルドゥのウラン濃縮施設について、地下部分に「非常に重大な」損害が発生したと予想されるが、「現時点ではIAEAも含め、誰も被害を完全に把握できる立場にない」と述べた。

IAEAの緊急理事会で表明した。

IAEAはイスラエルが6月13日にイラン核施設への軍事攻撃を開始して以来、イランで査察を実施できていない。

同氏は「使用された爆発物の積載量と、遠心分離機が振動に極めて敏感な性質であることを考えると、非常に重大な損害が発生したと予想される」と述べた。

IAEAによると、イランの高濃縮ウラン保有量は400キロを超え、濃縮度をさらに高めれば核爆弾9発分に相当するが、この濃縮ウランの備蓄が現在どのような状況にあるかが未解明の問題になっている。イランは核開発は平和利用目的だと主張している。

グロッシ氏によると、イランは6月13日、核拡散防止条約(NPT)で規定されたIAEAの保障措置の対象である核物質と核施設を保護するため「特別措置」を講じることをIAEAに通知した。

同氏は「私は同日の返答で、保障措置対象施設からイラン国内の別の場所に核物質を移転する場合は、IAEAへの申告が必要だと指摘した」とし「核物質・設備を保護するイランによるいかなる特別措置も、イランの保障措置義務に従って行うことが可能だ。それは可能だ」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、NATO首脳会議出席 国防費GDP5%

ワールド

米の不当な攻撃、「世界を危険にさらす」とプーチン氏

ワールド

米国のイラン攻撃、国際法でどのような評価あり得るか

ワールド

ウクライナ首都と周辺に夜間攻撃、8人死亡・多数負傷
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり得ない!」と投稿された写真にSNSで怒り爆発
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 6
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 7
    EU、医療機器入札から中国企業を排除へ...「国際調達…
  • 8
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 9
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 10
    【クイズ】次のうち、中国の資金援助を受けていない…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 8
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 9
    イランとイスラエルの戦争、米国より中国の「ダメー…
  • 10
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中