フィリピン中銀、2会合連続の利下げ 追加緩和示唆
[マニラ 19日 ロイター] - フィリピン中央銀行は19日、主要政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ5.25%とした。2会合連続の利下げ。
インフリスクの注視が必要だとしながらも、景気支援のため、追加緩和を実施する可能性を示唆した。
ロイターのエコノミスト調査では25人中22人が今回の25bp利下げを予想。残る3人は金利据え置きを見込んでいた。
レモロナ総裁は会見で、あと1回の25bp利下げが可能だと発言。時期は明示しなかった。今年はあと3回の政策決定会合が予定されている。
総裁は「総合的に判断すると、金融政策委員会はより緩和的な金融政策スタンスが必要だと考えている」とした上で「地政学的緊張の高まりや外部の政策の不確実性に起因する新たなインフレリスクを注視する必要がある」と述べた。
中銀は今年のインフレ見通しを2.4%から1.6%に下方修正。ただ、来年の見通しは3.3%から3.4%に、2027年の見通しは3.2%から3.3%にそれぞれ小幅に上方修正した。
レモロナ総裁は、米貿易政策や中東紛争に伴う不確実性を受けて、世界経済に減速の兆候が見られるとし「これにより、フィリピンの成長は鈍化するだろう」と述べた。
不確実性の高まりにより、インフレへの対応と経済成長の支援の間でバランスを取ることが一段と難しくなっているとの認識も示した。
中銀は昨年8月から3回連続で利下げを行ったが、今年2月の会合で利下げを見送り、市場を驚かせた。4月には25bpの追加利下げを実施した。