ケネディ米厚生長官、CDCワクチン諮問委員会の17人全員を解任

6月9日、トランプ米政権の保健福祉省(HHS)は、外部のワクチン専門家でつくる疾病対策センター(CDC)の予防接種実施諮問委員会(ACIP)の委員17人全員をケネディ厚生長官が解任したと発表した。米首都ワシントンで5月20日撮影(2025年 ロイター/Ken Cedeno)
[ワシントン 9日 ロイター] - トランプ米政権の保健福祉省(HHS)は9日、外部のワクチン専門家でつくる疾病対策センター(CDC)の予防接種実施諮問委員会(ACIP)の委員17人全員をケネディ厚生長官が解任したと発表した。また、ケネディ氏は委員会の再編に乗り出した。
ケネディ氏は長らくワクチンの安全性や効果に懐疑的な発言をしてきたことで知られる。同氏は声明で「私たちは今日、特定の賛成派、反対派を問わず、国民の信頼を回復することを優先している」とし、「透明なプロセスを通じて評価し、利害の対立から隔離された公平な科学が私たちの保健機関の勧告を導いていることを国民は知らなければならない」と主張した。
HHSによると、現在のACIP全員がバイデン前政権の下で任命された。トランプ政権が2028年までにACIPの過半数の委員を選ぶためには、委員の解任が必要とされていた。
食品医薬品局(FDA)の元主任科学者、ジェシー・グッドマン氏は「これは悲劇だ。(ACIPは)科学者や医師らの高度に専門的なグループだ(中略)このような政治的な干渉は信頼を高めるどころか、むしろ信頼を低下させるものだ」と批判した。
一般に販売されるワクチンはFDAが承認している。ACIPは公的な会議でデータを検討し、ワクチンを推奨するかどうかを投票する役割を担っている。
承認されたワクチンはCDCのスケジュールに組み込まれ、医療保険制度改革法(通称オバマケア)に基づいて保険を適用するかどうかが判断される。