基調物価さらに2%接近か2%付近で動く確度高まれば利上げ=日銀総裁

日銀の植田和男総裁は10日、参院・財政金融委員会で、基調的な物価上昇率がさらに2%に近づいていく、あるいは2%付近で動くとの見通しの確度が高まっていけば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくと述べた。都内で5月撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Takahiko Wada
[東京 10日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は10日、参院・財政金融委員会で、基調的な物価上昇率がさらに2%に近づいていく、あるいは2%付近で動くとの見通しの確度が高まっていけば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくと述べた。
その上で、日本は長い間、物価上昇率がゼロ近辺で推移し、予想物価上昇率もなかなか上がりにくかったが、政府や経済界の賃上げへの努力や適正な価格転嫁を円滑に進めるための工夫が予想物価上昇率を上げることに寄与したとの見方を示した。
浅田均委員(維新)の質問に答えた。
植田総裁は現状、基調的な物価上昇率は「まだ2%に少し距離がある」とし、2%目標の達成に向けて実質金利をマイナスで推移させて緩和的な環境を維持しているとした。
植田総裁は5月の講演で「(短期金利の)ゼロ金利制約の存在を念頭に置きつつ、2%の物価安定の目標を持続的に達成するという長きにわたる課題に取り組み続けている」と述べた。この発言の真意を問われた植田総裁は、現状の政策金利0.5%では「今すぐというわけではないが、仮に経済・物価に強い下押し圧力が掛かると短期金利の引き下げによって経済を追加的に刺激する余地は限られている」と述べた。