ドイツ軍、NATO東端部有事の兵站支援を大手企業に打診=独紙

4月22日、ドイツ連邦軍は、北大西洋条約機構(NATO)東端部に危機が発生して兵員や装備の派遣が必要になった場合、国内の防衛や輸送の大手企業に兵站作業の支援が可能かどうか打診していることが分かった。写真は2022年4月、独シュトルカウ近郊で演習を行う独軍(2025年 ロイター/Annegret Hilse)
[ベルリン 22日 ロイター] - ドイツ連邦軍は、北大西洋条約機構(NATO)東端部に危機が発生して兵員や装備の派遣が必要になった場合、国内の防衛や輸送の大手企業に兵站作業の支援が可能かどうか打診していることが分かった。地元経済紙ハンデルスブラットが22日、報じた。
ドイツは欧州中央部に位置するためNATOの一大兵站拠点の役割を負っており、特にロシアからの脅威に関連した大規模紛争では30日以内に3万5000人の兵員と200を超える航空機・艦艇を投入すると約束している。しかし、過去数十年にわたって投資を削減してきたことが響き、軍の拡充に向けた課題は大きい。
ハンデルスブラットによると、こうした中でドイツ軍は兵員、武器弾薬、装備品の移動について防衛大手ラインメタルや航空大手ルフトハンザ、ドイツ鉄道などに協力を持ちかけている。
同紙は危機地域での軍の民間輸送サービスに対する依存度は相当大きいとも指摘した。
間もなく発足するドイツの新連立政権は、NATO加盟国としての義務を果たすため防衛費を増額し、当面は志願に基づく新たな兵役制度を導入すると表明した。