NATO総長、米欧に「単独行動」避けるよう要請 安保問題巡り

北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長(左)は26日、米国と欧州諸国に対し、NATOの将来やロシアに対する見解の相違を巡る緊張が高まる中、安全保障問題について「単独で行動する」ことがないよう要請した。写真はポーランドのトゥスク首相と会談するルッテ氏。26日撮影(2025年 ロイター/Kacper Pempel)
[ワルシャワ/ブリュッセル 26日 ロイター] - 北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は26日、米国と欧州諸国に対し、NATOの将来やロシアに対する見解の相違を巡る緊張が高まる中、安全保障問題について「単独で行動する」ことがないよう要請した。
ルッテ氏はワルシャワ経済大学での演説で、「はっきりさせておきたいのは、欧州にとっても米国にとっても、今は単独で行動すべき時ではないということだ」と言明。
世界の安全保障上の問題は、単独で対処するには大きすぎるとし、その上で「欧州と米国の安全を守ることに関して、NATOに代わるものはない」と述べた。
このほか、ルッテ氏はフランスと英国の核抑止力が米国の核抑止力に取って代わることはできないとの見方を表明。
核抑止力を巡っては、欧州は主に米国に依存しているものの、トランプ米大統領のNATO加盟国の国防費が十分でなければ防衛しないとの発言や、ウクライナ戦争終結に向けたロシア寄りの姿勢を背景に、欧州諸国の間では同盟国防衛に対する米国のコミットメントを巡り懸念が高まっている。