ダライ・ラマ、後継者は中国外の「自由世界」で誕生 新著で見解

チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(89)は11日に発売される新著「Voice for the Voiceless(原題)」で、後継者は中国以外で生まれるとの見解を示した。写真はインドのダラムサラで昨年12月撮影(2025年 ロイター/Priyanshu Singh)
Krishna N. Das
[ニューデリー 11日 ロイター] - チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(89)は11日に発売される新著「Voice for the Voiceless(原題)」で、後継者は中国以外で生まれるとの見解を示した。
これまではチベット以外、おそらく自身の亡命先のインドで生まれ変わる可能性があるとだけ述べており、中国以外の「自由世界」で誕生すると表明したのは初めて。
ダライ・ラマはロイターが確認した新著の中で、世界中のチベット人は自身の死後も転生制度が続くことを望んでいると記述。以前は制度の廃止に言及したこともある。
「転生の目的は前任者の仕事を引き継ぐことであるため、新しいダライ・ラマは伝統的な使命、すなわち普遍的な慈悲心の代弁者、チベット仏教の精神的指導者、チベット人の願望を体現するチベットの象徴となることが継続されるよう、自由な世界に生まれるだろう」と書いている。
中国外務省報道官は10日の記者会見で新著について質問されると、「(ダライ・ラマは)宗教を隠れみのに反中分離主義活動を行っている政治亡命者だ」と指摘。「チベット問題について中国の立場は一貫しており、明確だ。ダライ・ラマの言動はチベットの繁栄と発展という客観的事実を変えることはできない」と述べた。