欧州の企業幹部、EUに規制緩和の加速要望 米政権の動き受け危機感

スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に参加した欧州の企業幹部らは、欧州連合(EU)が規制緩和と競争力強化に向けた取り組みを加速し、他の先進諸国に後れを取らないよう呼びかけた。23日撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
Divya Chowdhury Lisa Pauline Mattackal
[24日 ロイター] - スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に参加した欧州の企業幹部らは、欧州連合(EU)が規制緩和と競争力強化に向けた取り組みを加速し、他の先進諸国に後れを取らないよう呼びかけた。
企業幹部らは、トランプ米大統領が規制を緩和する姿勢を示しており、EUで長期間続く競争力強化の議論に緊急度が高まったと指摘した。
世界最大級のノルウェーの政府系ファンド、ノルゲス・バンク・インベストメント・マネジメントのニコライ・タンゲン最高経営責任者(CEO)は「米国では規制緩和が急速に進みそうで、欧州でも同様の措置を講じる重要性が増している」と主張。ほかの参加者からも迅速な行動を求める声が相次いだ。
スウェーデンの通信機器メーカー、エリクソンのエリック・エクデン最高技術責任者(CTO)はロイター・グローバル・マーケット・フォーラムで「前進する意思と能力はあると思う。実際の行動を見たい」と述べた。
ドイツの医薬・化学品大手メルクのベレン・ガリーホ最高経営責任者(CEO)は「迅速な対応が必要だ」と指摘。人工知能(AI)などハイテク分野で欧州が遅れを取れば、巨額の機会損失につながると言及した。