イスラエル軍がガザ難民キャンプ空爆、40人以上死亡とハマス
Nidal al-Mughrabi Mohammad Salem
[アルマワシ(ガザ地区) 10日 ロイター] - イスラエル軍は10日未明、パレスチナ自治区ガザ南部の安全地帯とされる難民キャンプを空爆した。イスラエル軍はイスラム組織ハマスの司令センターを標的にしたとしている。
ガザの市民救急隊は、少なくとも65人が死亡または負傷したとみられるが、多くの人が砂に埋もれ行方不明となっているため、死傷者の内訳は明らかにできないとしている。
ハマスが運営するガザ政府のメディア部門は、死者は40人以上との見方を示した。少なくとも60人が負傷し、救助隊が捜索を続けているが、多くが行方不明のままだと明らかにした。
住民や医療関係者によると、ハンユニスに近いアルマワシ地区でテントが連なる難民キャンプが5─6発のミサイルや爆弾の攻撃を受けた。キャンプにはイスラエル軍の指示を受けて他の場所から避難してきた家族が集まっていた。
ガザ市民救急隊によると、少なくとも20張のテントが炎上し、ミサイルによって深さ9メートルのクレーターができた。死傷者65人には女性や子どもも含まれているというが、内訳は明らかにされていない。
同隊の担当者は「われわれのチームは死傷者を運び出す作業を続けている。イスラエルによる新たな虐殺のようだ」と述べ、砂に埋もれている生存者の捜索は難航していると明かした。
周囲のテントは完全に焼け落ち、がれきが散乱する荒れ地には金属のフレームだけが残っていた。車は砂に埋もれ上部だけが見えていた。
近くの病院には白いビニール袋に詰められた遺体や血まみれの布で包まれた遺体が集められた。
救出された男性は抱えた女児を指して「これがイスラエルの標的だ。われわれは安全であるはずの人道支援地域にいた」と述べた。
生存者の女性は激しい爆発で目が覚め、子供たちと一緒に逃げたとロイターの記者に語った。「バラバラに切り刻まれた女性やバラバラに切り刻まれた子供、殉教者を見た」と話した。
一方、イスラエル軍は声明で、「ハンユニスの人道区域内にある指揮統制センターで活動していたハマスの上級司令官を攻撃した」と説明した。
「これらのテロリストは10月7日の虐殺の実行に直接関与しており、最近もテロ活動を行っている」と主張した。
またハマス側が発表した死傷者数は「イスラエル軍が保有する情報、使用された兵器の正確な位置、攻撃の正確性と一致しない」とした。
これに対し、ハマスは「醜い犯罪を正当化するための明らかなうそだ」と反発。ハマスは戦闘員が民間人の集会に参加したり、キャンプを軍事目的で利用したりしたことはないと何度も否定していると強調した。