ニュース速報

ワールド

クシュナー氏が非公開の議会証言、ロシア政府との「共謀」を否定

2017年07月25日(火)04時41分

 7月24日、トランプ米大統領の娘婿であるジャレッド・クシュナー大統領上級顧問は、ロシアとの共謀を否定、秘密の連絡ルートも要求していないと表明した。ホワイトハウスで先月30日撮影(2017年 ロイター/Carlos Barria)

[ワシントン 24日 ロイター] - トランプ米大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問は24日、ロシア当局者と昨年4回にわたり接触したことを認めつつも、2016年の米大統領選中にロシア政府との「共謀はなかった」と強調した。

クシュナー氏はこの日、上院情報委員会で約2時間半にわたり非公開の証言を行った。同氏は証言前に公表した詳細で「私はいかなる外国政府とも共謀しなかった。また、選挙陣営内で共謀した人物も認識していない」と強調。さらに「不適切な接触はなかった。民間セクターにおける自分の事業ためにロシアの資金を融通したことはない」と語った。

証言の記者会見でも、自身のすべての行動は適切で、「極めてユニークな選挙キャンペーン」の枠内において行われたものと述べた。

クシュナー氏が公表した詳細によると、同氏は2016年4月、当時駐米ロシア大使を務めていたセルゲイ・キスリャク氏とワシントンで初会合し、握手を交わした。同年4、11月に行ったとされる電話でのやり取りについては覚えておらず、電話の会話記録も見つかっていないとした。

クシュナー氏はさらに大統領選後の12月13日、ロシア国営の 開発対外経済銀行(VEB)のトップで、プーチン大統領に近いとされるセルゲイ・ゴルゴフ氏と会合。会合はゴルゴフ氏からの強い要請を受けて行われ、「特定の政策問題」を巡る協議はなく、米国による対ロ経済制裁およびクシュナー氏の事業いずれも議題に上らなかったことを明らかにした。VEBは米政府の制裁下にある。

ゴルゴフ氏との会合では、クシュナー氏の祖父母の出身地であるベラルーシのノヴゴロドの芸術品と土をプレゼントとして受け取ったことを明らかにしつつも、同会合の前にも後にも、ゴルゴフ氏とはいかなる連絡も取っていないと強調した。

2016年6月に行われたトランプ大統領の長男、ドナルド・トランプ・ジュニア氏とロシアの弁護士ナタリア・ベセルニツカヤ氏による会合を巡っては、クシュナー氏は時間の無駄だったと説明。「同会合に10分ほど同席した後、アシスタントに電子メールを送り、携帯電話に電話するよう頼んだ。席を外す言い訳が必要だった」と語った。自身が居合わせた間に行われた会合では、選挙に関する内容はなく、何らかの文書が交換されたことは認識していないと語った。

クシュナー氏は25日、下院情報委員会でも証言を行う。

*内容を追加します。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

原油先物は下落、米在庫増で需給緩和観測

ワールド

米連邦裁判事13人、コロンビア大出身者の採用拒否 

ビジネス

円安はプラスとマイナスの両面あるが今は物価高騰懸念

ビジネス

米インフレ、目標上回る水準で停滞も FRB当局者が
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 5

    デモを強制排除した米名門コロンビア大学の無分別...…

  • 6

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    中国軍機がオーストラリア軍ヘリを妨害 豪国防相「…

  • 10

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中