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NY市場サマリー(2日)円・ユーロ下落、利回り急上昇 株横ばい

2026年03月03日(火)06時52分

<為替> イラ‌ン情勢を受けて原油相場が急伸する中、エネルギー価格高騰の影響を受けやすい円やユーロな‌どが下落した。一方、中東地域の紛争拡大への懸念から、安全資産としてのドルが買われた。米国とイスラエルによるイランへの攻撃は3日目​に突入。イランも湾岸諸国に対しミサイルやドローンによる報復攻撃を実施しており、終わりが見えない状況となっている。また、イスラエルは親イラン武装組織ヒズボラが拠点とするベイルート南郊を空爆した。また、カタールは液化天然ガス(LNG)の生産を停止し⁠たほか、中東全域の石油・ガス施設で予防的な操業停止が相次いだ。 北海ブレント​原油先物は一時13%急騰した。スタンダードチャータード銀行のG10通貨調査責任者兼北米マクロ戦略責任者スティーブ・イングランダー氏は、この日の相場の動きについて「原油へのエクスポージャーが主因だ」と述べた。    終盤の取引で、ドル/円は0.7%高の157.13円、ユーロ/ドル は0.85%安の1.1712ドル。    日銀の氷見野良三副総裁は、中東情勢が緊迫化する中でも利上げを継続していく方針自体に変化はないと述べた。利上げの前提となる経済や物価に影響が及ぶ可能性があるものの、「どういう影響が今後出そうか、現時点で予想を申し上げるの差し控えたい」と述べた。主要通貨に対するドル指数は0.31%高の98.37。バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフマーケットストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は、イラン情勢を巡る「不確実性が鍵だ」とし、「⁠終局が不透明だ」と指摘した。トランプ米大統領は、イランの核開発と弾道ミサイル開発計画を阻止するため、米軍に攻撃を命じたとし、必要な限り戦争を続けると表明した。インフレ高進によって、米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げが先送りされるという懸念もドルへの追い風となった。金融市場では現時点で、9月までの利下げの可能性は完全に織り込まれていない。ドル/ス⁠イスフランは1.2%高の0.778フラン。ユ​ーロ/スイスフランは一時11年ぶりの高値を付けた後、0.24%高の0.91フラン。スイス国立銀行(中央銀行)は、中東情勢緊迫でスイスフランが上昇したことを受け、為替介入姿勢を強めると表明した。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米国債利回りが急上昇した。米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃に続き、イランが中東各地で報復攻撃を行ったことを受け、原油、天然ガス価格が急騰し、インフレ懸念が強まっている。米国とイスラエルは2月28日に開始したイランに対する軍事作戦「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」で最高指導者ハメネイ師を殺害した。イランが報復攻撃を続ける中、 トランプ米大統領はこの日、イランの核開発と弾道ミサイル開発計画を阻止するため、米軍に攻撃を命じたとし、必要な限り戦争を続けると表明。イランの精鋭部隊「イスラム革命防衛隊(IRGC)」の司令官はこの日、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖したと明らかにし、同海峡を通過しようとする船舶は「炎上させる」と警告した。    ミシュラー・フィナンシャル・グループ(コネティカット州)のマネジングディレクター、トム⁠・ディガロマ氏は、原油とガソリンの価格が問題になるとし、「これにより連邦準備理事会(FRB)の利下げのタイミングが後ずれする可能性がある」と述べた。    イラン情勢を受け、‌原油先物は一時13%上昇。ただこの日の取引は米WTI先物と北海ブレント先物は共に約6%高で清算した。CMEフェドウオッチによると、FRBが6月の会合で少なくとも0.25%ポイントの利下げを決定する確率は45.2%と、前日の57.4%から低下した。この日発表の米経済指標では、 米供給⁠管理協会(ISM)発表の2月⁠の製造業購買担当者景気指数(PMI)が52.4と、1月の52.6からほぼ横ばい。拡大・縮小の節目を示す50を2カ月連続で上回ったが、投入価格指数が約3年半ぶりの高水準に上昇し、輸入関税を背景にインフレ上振れリスクがあることが浮き彫りになった。これを受け、国債利回りは上昇。アネックス・ウェルス・マネジメント(ウィスコンシン州)のチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は、イラン情勢が泥沼化せずに短期間で収束しなければ米国の製造業の回復は続かないとの見方を示している。終盤の取引で2年債利回りは11.1ベーシスポイント(bp)上昇の3.49%。10年債利回りは8.6bp上昇の4.048%。共に1日の上昇幅としては昨年6月6日以来の大きさになる。    2年債と10年債の利回り格差は55.4bp。30年債利回り6.6bp上昇の4.699%。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> ほぼ横ばいで取引を終えた。米国とイスラエルがイランを攻撃したことを受けて朝方は売りが広がり、荒い値動きと‌なったが、その後は安値拾いの買いが入った。    先週末に始まったイランへの攻撃を受けて原油価格が急騰、海外の主要株価指数の大半が下落した。一方、米国市場では序盤の下落後、紛争による混​乱が限定的にとど‌まるとの見方から買いが入った。    スミード・キャピタル・マネジメント⁠創業者兼会長のビル・スミード氏は「市場参加者は現在の状況が一時的で、石油に絡む問題は解消され​ると考えている」と述べた。    当初は防衛関連株やエネルギー価格が上昇する一方、旅行関連株や金利に敏感なセクターが下落。その後、紛争がいつまで続くか、またインフレや米連邦準備理事会(FRB)の政策にどのような影響を及ぼすかを見極めようとする中、ハイテク株が買われる展開となった。    スミード氏は、投資家がエヌビディアや大手ハイテク7社の「マグニフィセント・セブン」、防衛セクターなど、なじみがある高パフォーマンスの銘柄に回帰したと指摘した。    原油高を受けてエネルギー株がアウトパフォームした一方、航空便のキャンセルやジェット燃料価格上昇、中東の広範囲にわたる空域閉鎖により旅行・航空株は下落した。防衛株も上昇。トランプ米大統領はCNNのインタビューで、イランとの戦争で「大きな波」はまだ来ていないと語った。nL6N3ZQ120    個別銘柄では電力大手AESが下落。ブラックロック傘下のグローバル・インフラ‌ストラクチャー・パートナーズと投資会社EQTが主導するコンソーシアムが、前営業日終値を下回る価格で買収することで合意した。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 米国とイスラエルによるイラン攻撃を受け、安全資産としての金の買いが優勢となり、続伸した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は、前週末比63.70ドル(1. 21%)高の1オンス=5311.60ドルと、中心限月の清算値ベースで1月下旬以来、約1カ月ぶりの高値となった。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油​先物> 中東情勢悪化への警戒感を背景に供給混乱懸念が高まる中、大幅続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値(終値に⁠相当)は前週末比4.21ドル(6. 28%)高の1バレル=71.23ドルと、中心限月清算値ベースで2025年6月中旬以来約8カ月半ぶりの高値を付けた。5月物は3.83ドル高の70.72ドル。

米国とイスラエル両軍は2月28日午前、イランに対する攻撃を開始。イランの最高指導者ハメネイ師が死亡したことが確認された。米イスラエル両国とイランは2日、 激しい攻撃の応酬を続行。イランは湾岸諸国の米軍施設にも反撃するなど戦線は拡大、戦闘の長期化が懸念されている。一方、原油輸送の要衝ホルムズ海峡は事実上封鎖された状態にある。

中東情勢が激化する中、エネルギー供​給不安が高まり、原油買いが活発化した。 イランの無人機攻撃を受け、サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコの同国東部ラ スタヌラの石油施設の操業や、カタール北部ラスラファンにある国営エネルギー会社の施設などでの液化天然ガス(LNG)と関連製品の生産が停止されたと伝わった。このほか、石油輸出国機構(OPE C)とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」の有志8カ国は1日の会合で、 4月の原油生産量を日量20万6000バレル増やすことで合意した。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY午後4時 157.34/157.

36

始値 156.96

高値 157.75

安値 156.97

ユーロ/ドル NY午後4時 1.1690/1.16

91

始値 1.1732

高値 1.1733

安値 1.1673

米東部時間

30年債(指標銘柄) 16時43分 101*02. 4.6835

00 %

前営業日終値 101*28. 4.6330

50 %

10年債(指標銘柄) 16時44分 100*22. 4.0383

50 %

前営業日終値 101*10. 3.9620

50 %

5年債(指標銘柄) 16時44分 99*15.7 3.6120

5 %

前営業日終値 99*30.0 3.5140

0 %

2年債(指標銘柄) 16時44分 99*25.7 3.4772

5 %

前営業日終値 99*31.7 3.3790

5 %

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 48904.78 -73.14 -0.15

前営業日終値 48977.92

ナスダック総合 22748.86 +80.65 +0.36

前営業日終値 22668.21

S&P総合500種 6881.62 +2.74 +0.04

前営業日終値 6878.88

COMEX金 4月限 5311.6 +63.7

前営業日終値 5247.9

COMEX銀 5月限 8885.3 ‐443.8

前営業日終値 9329.1

北海ブレント 5月限 77.74 +4.87

前営業日終値 72.87

米WTI先物 4月限 71.23 +4.21

前営業日終値 67.02

CRB商品指数 320.5493 +7.8826

前営業日終値 312.6667

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