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インタビュー:次期中計で純利益2兆円視野、実力切り上がり=三井住友FG社長

2025年12月17日(水)18時05分

写真は三井住友フィナンシャルグループの中島達社長。12月10日、都内で撮影。REUTERS/Miho Uranaka

[東京 17日 ロイター] - 三井住友フィナンシャルグループの中島達社長は、2030年ごろを目標に掲げていた連結純利益2兆円、自己資本利益率(ROE)11%程度の達成時期を前倒しできるとの見通しを明らかにした。国内事業の成長が特に期待できるとし、来年発表する次期中期経営計画(26-28年)期間中の達成が「視野には入ってくる」と述べた。ロイターのインタビューに応じた。

中島社長は「マイナス金利も解消され、非常に国内ビジネスが強くなってきた。実力が切り上がってきているのは間違いない」と話した。11月には26年3月期の純利益見通しを前年比27.3%増の1兆5000億円(従来予想1兆3000億円)に上方修正した。活発な企業活動を背景に融資など本業が好調な上、日本銀行が政策金利を0.25%引き上げれば年1000億円近い資金利益が生じるとした。日銀が利上げサイクルを再開すれば、業績にさらなる追い風となる。

<国内外での成長戦略は>

次期中計に生成AI(人工知能)を含むIT分野に1兆円規模の投資を盛り込む方針も示した。「金融機関は非常に人に依拠したビジネスだが、資産運用コンサルティングや法人の融資業務などはAIを活用して、相当デジタルベースのものに変えていけるのではないか。そこにチャレンジしたい」と話した。融資の与信判断などは「AIが入りやすいところだと思う」とし、顧客の話を聞いて条件交渉を行うといったプロセスにも徐々にAIを活用していけるとの展望を示した。

  「次の中計3年で一番期待できる」と話す 国内事業は、23年3月にサービスを開始した総合金融サービス「Olive(オリーブ)」のアカウント開設数1200万件の目標を早期達成してリテール事業強化を図るとした。富裕層向けの資産運用コンサルティングも「銀・信・証(銀行、信託銀行、証券)一体の体制が次の中計で整ってくる。ウェルスマネージメントビジネスを本邦最強のものにしていく」と述べた。

法人事業は、今年5月に開始した銀行口座・決済・ファイナンスなどのサービスをワンストップで提供する中小企業向けプラットフォーム「Trunk(トランク)」が来年から本格稼働すると説明。「次の3年でビジネスの柱の一つにしていきたい」と語った。

海外は日本株関連事業の強化を図るため、米投資銀行ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループとの合弁会社の27年開業を見込む。中島社長は「日本株は非常に今後伸びる。ジェフリーズとの組み合わせで日本株ビジネスは相当強いものがつくれると期待している」と話した。

一方、インドネシア、インド、ベトナム、フィリピンを対象とする「マルチフランチャイズ戦略」は「残念ながら十分なリターンを上げていない。真摯(しんし)に反省しているところがあるが、打つべき手は明確になり、次の中計ではしっかり成果を出していく」とした。

*10日にインタビューしました。

(岡坂健太郎、浦中美穂 編集:久保信博)

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