鴻海の第3四半期売上高、AI需要で過去最高 市場予想は下回る

台湾の電子製品受託生産大手、鴻海精密工業は10月5日、人工知能(AI)製品への旺盛な需要を背景に、第3・四半期の売上高が過去最高を記録したと発表した。写真は同社のロゴ。台北で2024年10月撮影(2025年 ロイター/Ann Wang)
[台北 5日 ロイター] - 台湾の電子製品受託生産大手、鴻海精密工業は5日、人工知能(AI)製品への旺盛な需要を背景に、第3・四半期の売上高が過去最高を記録したと発表した。ただ、市場予想には届かず、為替レートについては慎重な見方を示した。
売上高は前年同期比11%増の2兆0570億台湾ドル(677億1000万ドル)。LSEGスマートエスティメートの2兆1340億台湾ドルを下回ったものの、鴻海は予想を上回る内容だったとしている。
米ドルベースでは16.1%増となった。台湾ドルは今年に入り対米ドルで8%ほど上昇している。
旺盛なAI需要により、クラウド・ネットワーク製品部門は堅調な増収となった。iPhoneを含むスマート・コンシューマー・エレクトロニクス部門は、為替レートの影響を受け、若干の減収となった。
9月の売上高は前年同月比14.2%増の8371億台湾ドルとなり、同月としては過去最高を記録した。
AIサーバーの出荷台数が第4・四半期も引き続き増加し、欧米の主要市場で年末休暇を控えた伝統的なピークシーズンを迎えるため、「四半期ベースで成長を維持する」見込みだという。
「ただし、世界的な政治・経済情勢や為替レートの変動による影響については引き続き注視する必要がある」と付け加えた。
鴻海は数値予測を公表していない。11月12日に第3・四半期決算を発表する。