アングル:本格的夜明けか、再び期待外れか 注目浴びる米小型株

9月4日、米株式市場では、長らく出遅れていた小型株が注目を浴びている。写真は3日、ニューヨーク証券取引所で撮影(2025年 ロイター/Jeenah Moon)
Lewis Krauskopf
[ニューヨーク 4日 ロイター] - 米株式市場では、長らく出遅れていた小型株が注目を浴びている。しかし小型株が本格的な夜明けを迎えるのか、それとも再び期待外れに終わるのかは、金利の見通し、企業収益力の強さ、さらには経済の健全性に左右されそうだ。
中小型株で構成するラッセル2000指数は8月に7%急騰し、上昇率が指標となるS&P総合500種指数の約2%を大きく上回った。9月入り直後は株式市場全体が軟調となってラッセル2000も下げたが、それでも直近の買いを支えに2021年11月の終値ベースの最高値まであと約4%の水準に迫った。
もっとも年間のパフォーマンスは過去12年間のうち10年でS&P500がラッセル2000を上回っており、この間にS&P500はラッセル2000の2倍以上の上昇を記録している。
グレンミード・インベストメント・マネジメントの小型株ポートフォリオマネジャー、ジョーダン・アーヴィング氏は「小型株は大型株に比べて永遠とも思えるほど長くアンダーパフォームしてきた(中略)だから、今やハードル自体が非常に低いところにある」と話した。
小型株は相場上昇を牽引する銘柄の広がりから恩恵を受ける多くの戦略で中核を成している。投資家は近年、巨大ハイテク株や成長株に資金を集中しており、こうした投資によって株価指数は上昇したものの、強気相場がメガキャップ株に過度に集中しているとの懸念が高まっている。
S&P500ではハイテクが支配的なセクターの座にあるのに対し、ラッセル2000では金融や工業など、ハイテクに遅れを取っているセクターの動向による影響がより大きい。
直近の小型株上昇で主な要因となっているのは米利下げ期待の高まりだ。投資家によると、小規模企業は借入依存度が高いため、借入コスト低下の恩恵をより大きく受ける。
ラッセル2000は8月22日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が利下げの接近を示唆したと受け止められると、1日として4カ月以上ぶりの大幅な上昇を記録。バンク・オブ・アメリカによると、その後の1週間で同行の顧客による小型株やETFへの資金流入が2008年以来2番目の規模に達したという。
9月16─17日の連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げが決まるとの予想が広がっているが、その後の追加緩和の規模が小型株のパフォーマンスを左右する可能性がある。5日発表の8月雇用統計は政策金利を見通す上で重要な材料となる。
エドワード・ジョーンズのシニア投資ストラテジスト、アンジェロ・クルカファス氏は、現在の織り込みを上回る金融緩和があれば、「割安なバリュエーションと小型株アセットクラスへの潜在的な需要が一気に解き放たれる可能性がある」と話す。
力強い収益動向も小型株の支えになっている。LSEG IBESのデータによると、ラッセル2000構成企業の第2・四半期利益は前年同期比で69%増加する見込みで、今後6四半期連続で四半期ごとに少なくとも35%の増益が予想されている。
一方、グレンミードのアーヴィング氏は予想株価収益率(PER)を用いた試算に基づき、黒字を経常しているラッセル2000企業は平均するとS&P500構成企業に対して26%割安な水準で取引されていると分析した。ネーションワイドのチーフ市場ストラテジスト、マーク・ハケット氏は「来年は小型株の成長率が大型株を上回ることになるだろう」と予想する。
小型株のパフォーマンスは経済見通しとも密接に結びついている。ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ投資ストラテジスト、マーク・ルシーニ氏によると、小規模企業は大企業よりも国内景気動向に敏感で、小型株指数は景気循環に左右されやすい業種の比率が相対的に高い。
もっとも、小型株に慎重な見方もある。ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのストラテジストチームは先月、米小型株について、2026年までに大型株を上回るには経済成長が不十分だとして投資評価を「unfavorable」に引き下げた。
グレンミードのアーヴィング氏は、経済不安が生じれば投資家は巨大ハイテク株に資金を移す可能性があり、小型株取引はつまずくかもしれないと指摘。「問題はこの流れが続くのか、それともまた一過性のものに終わるのかということだ」と述べた。
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