自動車関税、大統領令発出後10ー14日で引き下げ 日米が最終調整=関係者

9月4日、日本から米国に輸出する自動車への追加関税について、日米両政府が大統領令発出後10─14日の間に引き下げ期日を設定する方向で最終調整していることがわかった。写真は米首都ワシントンで2024年4月撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
Tamiyuki Kihara
[東京 4日 ロイター] - 日本から米国に輸出する自動車への追加関税について、日米両政府が大統領令発出後10─14日の間に引き下げ期日を設定する方向で最終調整していることがわかった。4日(日本時間)から赤沢亮正経済再生相が再び訪米しており、日本側は速やかな大統領令発出を目指している。交渉の経過を知る日本政府関係者が明らかにした。
4月に適用された25%から12.5%に引き下げ、既存の税率と合わせて計15%とする。米国による一連の関税措置のうち、自動車を基幹産業とする日本にとって最大の懸案が解消する見通しとなった。同関係者は「今月中には(自動車関税が)引き下げされることになる」と語った。
8月上旬から15%が上乗せされている相互関税についても、日本の主張通り従来の関税率が15%未満の品目は15%に、15%以上だった品目には追加関税が課されないとし、すでに上乗せして徴収した分は遡及して返還するとの内容も盛り込む方向だ。
ただ、いずれも最終的にはトランプ米大統領の判断となる。交渉を担う赤沢氏は4日から訪米。米政府との最終的な調整に臨む。
交渉の実務を担う内閣官房の担当者はロイターの取材にコメントを控えた。在日米国大使館にもコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。
前出の関係者によると、両政府は大統領令にこれまでの合意内容の説明として、日本が米国産のコメ輸入を拡大することや、米国製の航空機購入などすでに公表されている事項を補足的に盛り込む方向で調整している。大統領令と同じタイミングで、7月の合意内容を記した「共同声明」と、日本から米国への5500億ドル(約81兆円)の投融資のルールを明確化するための「覚書」も結ぶ方向だ。
同関係者は「赤沢氏が現地入りした後、速やかな大統領令発出を目指している。まさに最終段階だ。今後は日米で具体的にどういったプロジェクトを進めるかというフェーズに入る」と語った。
日本政府は4月以降、赤沢氏を交渉担当に据え、ラトニック米商務長官らトランプ政権幹部らと交渉を重ねてきた。7月22日(米国時間)に自動車関税などで合意に至ったが、大統領令の発出にめどが立たない状況が続いていた。
(鬼原民幸 取材協力:山崎牧子 編集:久保信博)