スウェーデンEVポールスター赤字拡大、米関税など響く

スウェーデンの高級電気自動車(EV)メーカー、ポールスターが3日発表した第2・四半期決算は、純損失が10億3000万ドルと、前年同期の2億6800万ドルの損失から拡大した。写真はポールスターのロゴ。北京で24年4月撮影。(2025年 ロイター/Tingshu Wang/ File Photo)
Harshita Mary Varghese Marie Mannes
[ストックホルム 3日 ロイター] - スウェーデンの高級電気自動車(EV)メーカー、ポールスターが3日発表した第2・四半期決算は、純損失が10億3000万ドルと、前年同期の2億6800万ドルの損失から拡大した。米国の関税と価格圧力の高まりにより、SUV(スポーツタイプ多目的車)「ポールスター3」の減損処理につながったことが響いた。
同社は、ポールスター3の回収可能価額を2500万ドルに下方修正したことに伴い、減損費用7億3900万ドルを計上した。
米南部サウスカロライナ州の工場でポールスター3を生産するスウェーデンのボルボ・カーも第2・四半期に関税と、EVセダン「ES90」およびSUV「EX90」の発売遅延により同様の減損処理を行った。
ポールスターは決算発表後の電話会議で「米国では資産や取引がリスクにさらされる度合いが高過ぎるため、いかなる代償を払っても事業を拡大するつもりはない」と述べた。また今年上半期の売上高の77%が欧州で、8%が米国で生み出されたと付け加えた。
CFRAリサーチのシニア株式アナリスト、ガレット・ネルソン氏は「販売奨励金がない状況でのEV需要と流動性の問題が、ポールスターの大きな問題になる」との考えを示した。