韓国中銀、米関税引き上げで「深刻な衝撃」予想

8月28日、韓国銀行(中央銀行)は、米国との通商合意後も、米国の関税引き上げが国内経済に「深刻な衝撃」を与えるとの見通しを示した。ソウルの同銀前2016年7月撮影(2025年 ロイター/Kim Hong-Ji)
[ソウル 28日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は28日、米国との通商合意後も、米国の関税引き上げが国内経済に「深刻な衝撃」を与えるとの見通しを示した。
他の輸出国と比べて関税の引き上げ幅が大きいほか、品目別関税で多大な影響を受けることを理由に挙げた。
中銀は報告書で「交渉が比較的成功したにもかかわらず、米国がわが国に課す平均関税率は、以前の米韓自由貿易協定(FTA)下でのゼロ関税から、約15%へと大幅に上昇した」と指摘。
「したがって、対米輸出に大きく依存する国内経済にとって、深刻な衝撃が予想される」と述べた。
中銀は、米国の関税政策が今年の経済成長率にマイナス0.45%ポイント、来年にマイナス0.60%ポイントの影響を及ぼすと試算。これは、中銀が示した今年の成長率予想0.9%、来年の1.6%に反映されている。
中銀が日本や欧州連合(EU)など主要50カ国・地域の平均関税率を基に算出したところによると、韓国はトランプ米大統領が4月に示した関税率との比較で9番目に大きな関税引き下げを認められた。
それでも、相互関税の導入前と比較すると、韓国は主要50カ国・地域の半数以上を上回る関税引き上げに直面している。以前の米韓FTAや自動車・鉄鋼関税が影響しているという。