ドイツの銀行がペイパル口座振替一時停止、計100億ユーロ超=独紙

27日付の南ドイツ新聞は、ドイツの複数の銀行が米決済サービス大手ペイパルの計100億ユーロ(約117億ドル)超相当の口座振替を25日に一時停止したと報じた。ペイパルのロゴとラップトップ。2021年撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
[ベルリン 27日 ロイター] - 27日付の南ドイツ新聞は、ドイツの複数の銀行が米決済サービス大手ペイパルの計100億ユーロ(約117億ドル)超相当の口座振替を25日に一時停止したと報じた。不正利用の恐れがあるためで、ペイパルによる数百万件の不審な口座引き落としを銀行が先週検知したという。
ペイパルの広報担当者は、口座振替の一時停止について「当社の銀行のパートナー、およびそれらの顧客の一部取引に影響を与えた」と認めた上で、問題は解決済みだと説明。「原因を迅速に特定し、全ての口座が更新されるよう銀行のパートナーと緊密に連携している」とコメントした。
銀行関係者はロイターに対し、各銀行が停止した決済の金額はそれぞれ数億ユーロから数十億ユーロの間だと説明した。
ペイパルのようなデジタル決済の大手企業は通常、不正な口座引き落としを防ぐためのシステムを備えている。
しかし南ドイツ新聞の報道によると、このシステムは先週終盤に完全に、または大部分が機能不全に陥り、決済アプリが審査されていない口座振替指示を銀行に送信していた。
ドイツの貯蓄銀行協会は27日、ペイパルからの不正な口座引き落としが欧州全域、特にドイツで「決済取引に重大な影響」を与えたとの声明を出した。その上で貯蓄銀行の顧客のペイパル取引は26日早朝時点で正常に稼働しており、監督当局にも既に報告したと明らかにした。
ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)は報告を受けたことを認めたが、詳細については明らかにしなかった。
ペイパルの欧州子会社の本社があるルクセンブルクの金融監督庁委員会(CSSF)の報道担当者は、現在は規制当局の介入が必要となる重大な障害は起きておらず、ペイパルに関してコメントすることは差し控えるとした。