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ステランティス、「レベル3」自動運転支援システムの実用化棚上げ=関係筋

2025年08月27日(水)12時53分

欧米自動車大手ステランティスは、「レベル3」の自動運転支援システムを搭載した「オートドライブ」の実用化を棚上げした。資料写真、1月撮影(2025年 ロイター/Stephanie Lecocq)

Nora Eckert

[デトロイト 26日 ロイター] - 欧米自動車大手ステランティスは、「レベル3」の自動運転支援システムを搭載した「オートドライブ」の実用化を棚上げした。高額なコストがかかるのに加え、技術的課題、消費者需要を巡る懸念があるのが理由。事情に詳しい関係者3人がロイターに明らかにした。

ステランティスは2月には、オートドライブプログラムの一部である自社で開発したレベル3システムの導入準備が整っており、戦略の重要な柱だと表明していた。レベル3システムは一定の条件下でドライバーがハンドルから手を離したり、道路から目を離したりすることが可能となり、一時的に映画の鑑賞や電子メールの確認、読書ができる水準。

同社の広報担当者はロイターに対し、レベル3のソフトウエアは一度も市場に投入されていないことを認めたが、プログラムを打ち切ったかどうかついては明言しなかった。また、2月に発表したレベル3の技術は、その時点で市場の需要が限定的なため投入していないものの、技術自体は利用可能で搭載準備はできていると説明していた。

だが、関係者3人は、プログラムは凍結され、実用化される見込みはないと指摘した。ステランティスはこのプログラムに費やした時間と資金についての質問には答えず、オートドライブに関するこれまでの作業は、今後のバージョンの開発に役立つと述べた。

ステランティスはオートドライブの次世代プログラムの開発に関し、2022年に買収した自動運転と人工知能(AI)を手がけるハンガリーの新興企業aiMotive(エーアイモーティブ)に期待している。ステランティスはプログラムの市場導入時期や、レベル3の搭載の有無については言及を避けた。

ロイター
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