不調に終わった米ロ首脳会談...その裏でほくそ笑む中国が、ウクライナ戦争の継続を願う理由
Beijing’s Bonanza

王毅外相はウクライナ戦争でのロシアの敗北は望まないと述べた Alexandros Michailidis-shutterstock
<中国はウクライナ戦争でロシアの敗北は望まないという考えを露わにしている>
米アラスカ州アンカレジで8月15日に開かれた米ロ首脳会談の明らかな勝者は、アメリカでもロシアでもなかった。戦争の影響を直接受けているEUやNATOでもなければ、ウクライナでもない。
現時点の最大の勝者は、中国だ。そして、中国の唯一の軍事同盟国である北朝鮮にとっても悪くない結果だった。
ドナルド・トランプ米大統領とウラジーミル・プーチン露大統領は、会談後の記者会見で戦争終結の機運があるかのような印象を与えようとした。プーチンは「同意」という言葉を用い、トランプは「大きな進展」と述べた。
それでも、この会談がアメリカにとって不本意な結果に終わったことは明白だ。トランプは、予定より短い会談を終えた後、「合意が成立するまで合意はない」と珍しく厳粛な面持ちで述べた。「そこには到達しなかった」
実際、両者は合意には至らなかった。そして、それこそが中国が求めていたものだ。
中国がウクライナ戦争の継続を望んでいることは、さまざまな兆候からうかがえる。香港のサウスチャイナ・モーニングポスト紙は、中国の王毅(ワン・イー)外相が7月2日にEUの外交政策責任者カヤ・カラスに対し、ロシアが敗北すればアメリカの関心が中国に移るため、中国はそれを望んでいないと伝えたと報じている。