消費者も販売員も健康に...「安全で美味しい」冷凍食品を届け続けて半世紀、その歩みと「オンリーワンの強み」
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販売員から同社でのキャリアをスタートさせ、2010年に代表取締役社長に就任した佐藤健氏
<1100品目以上のオリジナル商品と独自の販売モデルを強みに成長を続けるSL Creations。「安心安全で美味しいものを提供する」という理念を追求してきた半世紀の歩みと、進行中の新たな挑戦について、佐藤健代表取締役社長に聞いた>
当時としては画期的だった凍結技術に着目した創業者の佐藤啓次郎氏が、1970年に冷凍食品の販売を開始したことから株式会社SL Creationsは始まった。同社が飛躍する大きなカギとなったのが、「シュガーレディ」と呼ばれる販売員が顧客の自宅に商品を届けるというユニークなスタイルだ。
「実はシュガーレディはおせっかいから生まれたもの。当時、『冷凍の時代が来る』と確信していた父は、葉山や逗子の奥様たちに向けて、冷凍食品と小型冷凍庫を一緒に販売するビジネスを始めました。ところが男性なので主婦のニーズがよく分からず、売り方も上手ではありませんでした。そんな父を見かねたお客様が『私たちに手伝わせなさい』と(笑)。そこからホームパーティーを開いて商品を紹介してくれたり、お手本となって販売を手伝ってくれるようになったのです」
父の志を継ぎ、2010年に社長となった佐藤健はそう話す。7人の主婦たちによるおせっかいからスタートしたユニークな販売モデルは、やがて社長の姓である佐藤にちなんだ「シュガーレディ」と名付けられ、全国に支部を構える約1万人の組織となった。
「なかには、私の幼少期を知る親戚の叔母のような存在もいますし、家族のような販売員の皆さんとともに父が会社を大きくしていく様子も目の当たりにしてきました。とはいえ20代までは、会社を継ごうとはまったく考えていませんでしたね」
若き日の佐藤のターニングポイントとなったのが、社会人留学をしたアメリカの大学院での経験だ。
「様々な企業を取り上げてグループで発表を行う授業で、メンバーに提案されて父の会社を取り上げることになりました。すべてのグループの発表が終わり、教授が数十社の中から最も印象に残った企業として挙げたのがシュガーレディ(当時)だったのです」
名前は風変わりだが、「安心安全で美味しいものを届ける」という理想を現実にするために、社長から販売員まで全員が本気で取り組んでいる点が素晴らしい──。経営やビジネスの専門家である教授や他の学生たちからのそんな評価を聞き、父が始めた事業のポテンシャルを実感した佐藤は、大学院の卒業を前に入社を決意。当初は販売員からスタートし、東京や福岡での支店設立を経て、入社10年目からは本社で経営に関わってきた。
そもそも販売員が近しい人々に薦めることで輪を大きく広げてきた同社だからこそ、扱う商品は「家族に食べさせたいと思える安心安全で美味しいもの」でなければならない。そうした理念は1996年に「安全宣言」として具現化され、以来、同社では化学的合成添加物の不使用をはじめ、厳格な基準を遵守し続けている。
「自然由来でない添加物を一切使わないとなると、素材選びがより重要になることはもちろん、調理の際のコストも大きくなります。しかし、そうした安心安全へのこだわりや、人と人との絆といった事業の根幹となる部分は、どれだけ時代が変わろうと守り続けていかなければならないと考えています」
躍進する常備型社食事業 販売員同士の会話がヒントに
一方で、社長に就任後は新たな商品ラインナップやサービスの開発にも着手。日本最高峰の冷凍食品を目指して開発した高級冷凍食品シリーズの「Z's MENU(ジーズメニュー)」では、1食千円を超えるプレミアム冷凍食品の需要を掘り起こし、「百貨店に置かれる冷凍食品」の先駆けとなった。
「当社には様々な販売員の委員会があり、原則として新たな商品は商品委員会のGOが出なければ商品化できない仕組みになっています。委員会制度には、販売員を通じてお客様のニーズをダイレクトに掴めるというメリットがありますが、商品が平均化してしまったり、委員の年齢構成に好みが偏ってしまったりといったデメリットもある。そこで新たなラインナップについては、委員会制度から外してもらうことにしました。特に高額なZ's MENUは当初、販売員からも否定的な声が多かったものの、今では特別な日のご馳走として喜んでもらっています」
また、2017年には、オフィスに向けた冷凍食品の常備型社食「OPF(オフィスプレミアムフローズン)」をスタート。この事業のヒントとなったのは、「社会に出た子供や孫に身体に良いものを食べさせてやりたい」という、社内での販売員たちの会話だったという。
「OPFでは当社の既存製品をそのまま使うことができるうえ、従来のお客様とは違う層の顧客開拓につなげる狙いもありました。また、家庭のお客様が増やしにくい昨今において、訪問先が明確なオフィス向けの事業は、販売員さんの新たな収入源にもなるだろうと考えました。実際にOPFはとても好調で、現在までに約1500社まで契約企業を増やすなどここ数年で大きく成長し、今では社食専用のメニュー開発なども行うようになっています」
メニューの豊富さや美味しさに加え、導入費用やランニングコスト、そして一食あたりの圧倒的なコストパフォーマンスがOPFの人気の理由だ。特に、既存の販売員のネットワークを活用できる利点は大きく、最近ではシュガーレディならぬ男性の販売員(SLパートナー)も増えている。
2020年には現在の「SL Creations(エスエル・クリエーションズ)」へと社名を変更。半世紀にわたり継承される理念や紡いできた「人と人との絆」を基盤に、事業を通じて新たな価値を創造するという想いを込めた。
現在の販売員の最高齢は89歳。
「人々の健康に貢献できる商品と、年齢を問わず若々しく働ける機会の提供を通じて、当社が目指すのはアクティブシニアの創造。今後は、AIを使ってパーソナライズした病気の人や高齢者向けの食事メニューの展開や、海外進出にも挑戦したいと考えています」
佐藤 健(Ken Sato)
株式会社SL Creations代表取締役社長
1966年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、博報堂香港入社。3年間の勤務を経て米国に留学し、米コロンビア大学大学院でMBAを取得。97年、SL(シュガーレディ)関西入社。2010年より代表取締役社長に就任。自身のインスグラムでは自社商品を使った料理動画をアップするなど、特に男性に向けた料理の楽しさや食の大切さの啓蒙活動を行っている。
●問い合わせ先
株式会社SL Creations
https://sl-creations.co.jp