英総合PMI、8月速報53.0 サービス好調で1年ぶり高水準
[ロンドン 21日 ロイター] - S&Pグローバルがまとめた英国の8月の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は53.0と、前月改定値の51.5から上昇し、昨年8月以来の高水準となった。
サービス部門が好調だった。ロイターがまとめた市場予想は51.6だった。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は、春に低迷した経済成長のペースが夏に加速したことを示していると指摘。
ただ「受注状況を見ると、需要環境は明らかに依然として不安定で脆弱だ」とし「企業は、最近の政府の政策変更の影響に対する懸念や、広範な地政学的不確実性に起因する不安を訴えている」と述べた。
EY・ITEMクラブの首席経済アドバイザー、マット・スワネル氏は、今年これまでのところ経済を予測するうえでPMIは芳しくなく、今回の上昇には注意が必要と指摘。「経済状況は依然として成長の鈍化を示唆しているた。賃金上昇の鈍化、財政政策の引き締め、一部世帯で高金利での住宅ローン借り換えを余儀なくされるなど、インフレは上昇しており不確実性も依然として残っている」と述べた。
サービス部門PMIは7月の51.8から53.6に上昇した。
製造業PMIは48.0から47.3に低下し、3カ月ぶりの低水準となった。米国の貿易戦争で打撃を受けている。
雇用はサービス業・製造業とも削減されたが、削減ペースは前月から鈍化した。国民保険料の雇用主負担と最低賃金が4月に引き上げられたことを受けて、人件費が増加している。
サービス企業の値上げペースは3カ月ぶりの高水準だった。
今後の1年間の企業活動の見通しを示す指数は2024年10月以来の高水準。