アングル:一部証券の評価損益率、プラス転換で日本株の「天井」示唆 売り残が焦点に

8月20日、一部の証券会社で店内の信用評価損益率がプラスに転じ、市場では株価が「天井」圏に差し掛かったことを示唆する事象と捉えられている。都内の株価ボード前で4月撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Noriyuki Hirata Mayu Sakoda
[東京 20日 ロイター] - 一部の証券会社で店内の信用評価損益率がプラスに転じ、市場では株価が「天井」圏に差し掛かったことを示唆する事象と捉えられている。ただ、過去の事例からは、すぐに株価が下げを強めるとは限らず、足元で増加している信用売り残が減少基調になるかどうかが次の焦点になるとみられている。
<1年5か月ぶりプラス>
信用評価損益率は、信用買いされた株式の含み損益の度合いを示す。個人投資家は評価益が出るとすぐ利益確定する傾向が強いとされ、評価損益率はゼロからマイナス20%が通常とされる。プラスに転じることは投資余力の向上を示す半面、利益確定売りが促され需給が悪化しかねない側面もある。
松井証券の店内で18日、この信用評価損益率が0.035%のプラスに転じた。2024年3月5日─6日にプラスに転じて以来、1年5か月ぶりとなる。19日はマイナス0.021となったが、ゼロ付近での推移が続いている。
同証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、信用評価損率がゼロ付近にあることは、株高が「天井圏にあることが示唆される」と指摘する。実際、松井店内で評価損益率がプラスに転じた24年3月は、日経平均が初めて4万円の大台に乗せた局面だった。その後、株価は下落し、約1週間で3万8400円台へと2000円近く下落した。
<評価損率プラス、しばらくは高値推移の過去>
過去の事例をみると、評価損率がプラスに転じたからといって、必ずしもすぐに株価が下げを深めてきたわけではない。
例えば、18年1月前半のケースでは、17年末に成立した米税制改革を受けて米国経済への楽観的な見方が広がって日経平均が26年ぶりの高値となる2万4000円台に上昇し、松井店内の評価損益率はプラスに転じた。
その後の「VIXショック」で、2月14日までに高値から約3000円下落したが、評価損益率が1月9日にプラスに転じてから24日までの2週間、株価は高値圏で推移し続けた。その間、評価損益率がマイナス1%からプラス1%とゼロ付近での往来を続けた。
<本気の売りはまだ>
20日の東京市場で日経平均は650円下落したが、東証プライム市場の売買代金は5兆円に届かなかった。みずほ証券の中村克彦マーケットストラテジストは、商いが細ってきており「上値追いに対し、疑問符がつき始めている様子がうかがえる」と話す。ただ、商いが細る中での下落は「まだ本気の売りともいえない」(同)状況で、今後は株安局面で商いが膨らまないかに注意が必要だという。
天井圏に入った株価が下落に転じるかどうかの見極めでは、売買代金のほか、信用売り残の動向に目配りが必要とみられている。東京証券取引所が19日に発表した8月15日申し込み現在の2市場信用取引現在高によると、売り残は前週比1018億8000万円増と2週連続で増加した。松井店内でも、19日時点で売り残は増加基調が継続した。
売り残が増加基調にある間は、売り方が諦めていないと解釈できる。「売り方の心が折れるようなイベントがあって買い戻したとき、そこが大天井になるかもしれない」と窪田氏は話している。
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