ノボノルディスク肥満症薬、FDAが肝疾患MASH治療で迅速承認

8月15日、デンマーク製薬大手ノボノルディスクは同社の肥満症治療薬「ウゴービ」について、米食品医薬品局(FDA)から重い肝疾患の1種である代謝機能障害関連脂肪性肝炎(MASH)の治療薬として迅速承認を取得したと発表した。写真はウゴービのイメージ。2023年11月、ペンシルベニア州ニューコロンビアで撮影(2025年 ロイター/Hannah Beier)
Padmanabhan Ananthan
[15日 ロイター] - デンマーク製薬大手ノボノルディスクは15日、同社の肥満症治療薬「ウゴービ」について、米食品医薬品局(FDA)から重い肝疾患の1種である代謝機能障害関連脂肪性肝炎(MASH)の治療薬として迅速承認を取得したと発表した。
これによりウゴービはMASH治療薬として承認された最初のGLP─1受容体作動薬となる。アメリカ肝臓財団によると、MASHは米国の成人の約5%が罹患する進行性の肝疾患だ。
FDAの決定は進行中の2部からなる研究の第1部で、ウゴービ投与群がプラセボ(偽薬)群と比較して、MASHと肝硬変を伴う患者において肝臓の状態を改善する効果を示したことを根拠にしている。
ノボノルディスクは、米国でMASHと中等度から重度の肝硬変を患う成人がウゴービを利用でき、適切な食事と運動を併用すべきだと述べた。
同社米国法人の幹部は価格の詳細については明らかにしていない。
この試験結果に基づき、ノボノルディスクは今年、欧州と日本で承認を申請している。試験の第2部の結果は2029年に入手できる見通し。
現在、FDAが承認しているMASHの治療薬は米マドリガル・ファーマシューティカルズの「レズディフラ」のみだ。