FRB、政策調整待つ「余裕」ある なお完全雇用に近い=アトランタ連銀総裁

米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は13日、労働市場がなお完全雇用に近い状態にあることから、連邦準備理事会(FRB)は政策調整を急がず「待つ余裕がある」という認識を示した。2019年2月撮影(2025年 ロイター/Clodagh Kilcoyne)
[13日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は13日、労働市場がなお完全雇用に近い状態にあることから、連邦準備理事会(FRB)は政策調整を急がず「待つ余裕がある」という認識を示した。
ボスティック総裁は講演で、FRBは政策のボラティリティーを避けるためにも、自身のスタンスは「今後の動向がもう少し明確になるまで待つ」ことだと述べた。
FRBの二大責務である最大雇用の目標は、物価安定の目標と同様にリスクにはさらされていないと指摘。仮に労働市場がこれまで考えられていたよりも大幅に減速しているとすれば、「リスクのバランスがより均衡している可能性がある」とし、9月16─17日に開催される次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)までに、労働市場の健全性を十分に精査することが「今後5週間程度におけるわれわれの課題だ」と述べた。
トランプ政権の関税措置については、過去のケースとは異なり、対象範囲が予想以上に幅広いほか高水準で、世界のサプライチェーン再構築を目指していると指摘。「これが成功すれば、根本的な変化が見られるだろう。(インフレの)軌道が関税導入前と同じようなものになると想定する理由はない」とし、「実際、完全に異なる経済となるだろう」と述べた。