ユーロ圏企業、景気減速と中国との競争が逆風＝ＥＣＢ調査

　７月２５日、 ユーロ圏の企業が景気減速と中国との競争激化という試練に直面していることが、欧州中央銀行（ＥＣＢ）が公表した調査で分かった。フランクフルトのFRB本部で２０２３年３月撮影（２０２５年　ロイター/Heiko Becker）

[フランクフルト ２５日 ロイター] - ユーロ圏の企業が景気減速と中国との競争激化という試練に直面していることが、欧州中央銀行（ＥＣＢ）が２５日公表した調査で分かった。

調査はユーロ圏で事業展開する大企業７２社に対し６月２３日─７月２日に実施した。

ＥＣＢは「調査企業は、関税、地政学的緊張、それに起因する不確実性で企業や消費者の景況感が悪化し、活動が鈍化したと報告した」とし、第２・四半期、第３・四半期ともに非常に緩やかな成長にとどまったことと整合すると指摘した。

調査企業は、現在交渉中の米関税が成長にとってマイナスとみなし、中国製品との競争が一段と影を落としていると指摘した。

ＥＣＢは「活動と価格への下押し圧力は需要の減少を反映したものだ。中国を中心にアジアの輸出業者が米国以外の市場開拓を進めたことが一因だ」と指摘。その影響は主に中間財に見られ、最終消費者物価にはほとんど反映されていないが、向こう数カ月、数四半期で影響が広がると予想した。

一方で、小売業や消費者サービス業ではこれまでのところ活動や価格への影響はほとんど見られず、近い将来にも大きな影響はないとした。

今回の調査では、今年の賃金上昇率を３．３％、来年は２．８％と予想し、昨年の４．５％から鈍化を見込んだ。