中国PPI、6月は2年ぶり大幅マイナス CPI+0.1%上昇

中国国家統計局が9日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年比0.1%上昇し、5カ月ぶりにプラスとなった。写真は北京の市場で2021年1月撮影(2025年 ロイター/Tingshu Wang)
[北京 9日 ロイター] - 中国国家統計局が9日発表した6月の生産者物価指数(PPI)は前年比3.6%下落し、2023年7月以来最大の落ち込みとなった。貿易戦争を巡る不透明感や国内需要低迷で中国経済は苦境に立たされており、政策当局に一段の対策を求める圧力が高まっている。
予想は3.2%下落だった。5月は3.3%下落していた。
国家統計局の統計官は、一部の輸出型産業が価格面で圧力を受けているとし、「世界の貿易環境を巡る不確実性が企業の輸出期待に影響を与えている」と述べた。
一方、6月の消費者物価指数(CPI)は前年比0.1%上昇と5カ月ぶりにプラスとなったが、住宅市場低迷の長期化や米関税の逆風も重なり上昇は小幅にとどまった。
予想は横ばいだった。5月は0.1%下落していた。前月比では0.1%下落し、予想と一致。5月は0.2%下落だった。
変動の激しい食品と燃料価格を除いたコアインフレ率は前年比0.7%上昇し、14カ月ぶりの高い伸びとなった。
統計局によると、CPI上昇は主に工業用消費財価格の回復によるという。
キャピタル・エコノミクスの中国エコノミストは「輸出の減速と財政支援効果の低下により、年内に需要が弱まるだろう」と指摘。CPIの上昇は「消費財の下取り政策の効果」とみられるが「この押し上げ効果は間もなく薄れる可能性が高く、年内には基調的なインフレ率が再び低下すると予想している」と述べた。
中国では内需の低迷が続いており、企業は値下げ競争を展開している。
ING銀行の中国担当チーフエコノミストは、人民元が最近、相対的に堅調で、インフレ率も低迷しているため、中国人民銀行(中央銀行)には年内の追加利下げ余地があると予想。
「最近数カ月で活動データはわずかに軟化しているが、差し迫った危機感はない。現時点では、次の利下げは第4・四半期になると予想している」と述べた。