ニュース速報
ビジネス

ノバルティス、初の乳児向けマラリア治療薬がスイスで承認取得

2025年07月09日(水)10時49分

 7月8日、スイス製薬大手ノバルティスは乳児向けの経口マラリア治療薬「コアルテム・ベイビー」の承認をスイスで取得したと発表した。写真は同社のロゴ。2020年4月、パリ近郊で撮影(2025年 ロイター/Charles Platiau)

[チューリヒ 8日 ロイター] - スイス製薬大手ノバルティスは8日、乳児向けの経口マラリア治療薬「コアルテム・ベイビー」の承認をスイスで取得したと発表した。同社によると、乳児向けマラリア薬が導入されるのは初めて。

治験に参加したアフリカのブルキナファソ、コートジボアール、ケニア、マラウイ、モザンビーク、ナイジェリア、タンザニア、ウガンダの8カ国は迅速に承認する見通しだ。ノバルティスは、コアルテム・ベイビーを主に非営利で供給すると説明している。

コアルテム・ベイビーは1999年に発売したコアルテムをベースにしており、乳児向けの用量にした。母乳にも溶け、投与しやすいように甘いチェリー風味がついている。

同社によると、今のところ体重4.5キロ未満の乳児向けに承認されたマラリア治療薬はなく、治療の空白が生じていた。

6カ月未満の乳児は通常、治験の対象から除外される。このため、現時点で利用可能なマラリア治療薬は6カ月以上の子どもだけに治験が実施されている。

これまで乳児にはより年長の子ども向けの製剤を使用してきたが、過剰投与の恐れが高まっていた。6カ月未満の乳児にはマラリアワクチンの接種も認められていない。

同社によると、アフリカのマラリアのリスクのある地域で毎年約3000万人の子どもが生まれている。西アフリカを対象にした調査によると、6カ月未満の乳児の感染率は3.4─18.4%と報告されている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

解任後に自殺のロシア前運輸相、横領疑惑で捜査対象に

ビジネス

日産、米国でのEV生産計画を延期 税額控除廃止で計

ワールド

トランプ氏との会談、人質解放の取り組みなど協議=イ

ワールド

台湾、定例軍事演習「漢光」開始 司令部への攻撃を想
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 3
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワールドの大統領人形が遂に「作り直し」に、比較写真にSNS爆笑
  • 4
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 7
    自由都市・香港から抗議の声が消えた...入港した中国…
  • 8
    人種から体型、言語まで...実は『ハリー・ポッター』…
  • 9
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 10
    「けしからん」の応酬が参政党躍進の主因に? 既成…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 5
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 6
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 7
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 8
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 9
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 10
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中