台湾、定例軍事演習「漢光」開始 司令部への攻撃を想定

7月9日、台湾は定例軍事演習「漢光」を開始した。台湾の桃園で撮影(2025年 ロイター/Ann Wang)
Yimou Lee
[台北 9日 ロイター] - 台湾は9日、定例軍事演習「漢光」を開始した。防衛関連の高官によると、まずは中国軍の侵攻を念頭に指揮システムやインフラが攻撃を受けたことを想定した演習を行う。
演習の初期段階では、台湾の軍隊が通信網への攻撃を受けた場合にどのように指揮を分散させることができるかをテストすることに重点を置く。演習内容は今後10日間にかけて拡大し、台湾を占領しようとする本格的な試みに対する台湾の戦闘態勢を評価する。
ある高官は「われわれは近年のウクライナ情勢から学び、台湾が実戦で直面するかもしれないことを現実的に考えている」と語った。
今年の演習は、過去最大規模となる予備役約2万2000人を動員。ロッキード・マーチン製の高機動ロケット砲システム「ハイマース」が初めて参加するほか、台湾が開発した地対空ミサイル「スカイソード」も登場する。
中国国防省は、台湾の演習は「はったり以外の何ものでもない」と強調。国営の中国中央テレビ(CCTV)によると、報道官は「どのような武器が使われようとも、台湾は人民解放軍の鋭い剣に抵抗することはできない」と発言した。