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午後3時のドルは146円付近で上値重い、米の高関税通告で一時2週間ぶり高値

2025年07月08日(火)15時58分

 7月8日、午後3時のドル/円は146円付近と、前日ニューヨーク市場の終盤からほぼ横ばいの水準で推移している。写真は米ドル紙幣。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Atsuko Aoyama

[東京 8日 ロイター] -

午後3時のドル/円は146円付近と、前日ニューヨーク市場の終盤からほぼ横ばいの水準で推移している。日本に25%の関税を通告した米大統領の書簡で日銀の利上げが遠のくとの見方が強まったことがドル/円を押し上げ、一時2週間ぶり高値を更新。一方、米利下げ観測も根強く、ドルの上値も引き続き重かった。

ドルは午前中、仲値公示後に一時146.44円まで買われ、6月23日以来約2週間ぶり高値を更新したが、すぐに146円前半に水準を切り下げた。午後に入ると146円付近で売買が交錯する展開が続いた。

トランプ米大統領が日本などに8月1日から25%の関税を課すと表明。米国の通告について、「(8月まで)時間的猶予ができたとも受け止められる一方、日米交渉が不調で相互関税の上乗せ分発動の蓋然性が高まったとも言える」(ニッセイ基礎研究所主席エコノミストの上野剛志氏)との声が聞かれた。

高関税が賦課される可能性もあるため、「このタイミングで日銀が早期の利上げを示唆したり、ガイダンスを示したりできる状況ではない」(三菱UFJ信託銀行の酒井基成・資金為替部マーケット営業課課長)との見方もある。実質賃金が1年8カ月ぶりの減少幅となった毎月勤労統計など「利上げを推し進めるには裏付けが足りない。利上げは年明けにずれ込む可能性もある」(同)という。

一方、米国は今後景気への悪影響が顕在化するため、利下げが意識され「上値が重い」(三菱UFJ信託銀の酒井氏)状況。米国の対日関税に関しても「交渉の余地があるようにも見え、すぐに状況が変わるかもしれず、どんどん円を売り進めていくのは難しい」(ニッセイ基礎研の上野氏)側面もある。

ドル/円以外で目立ったのは豪ドルの上昇で、豪中銀が市場の利下げ予想に反して据え置きを決めたことで、決定直前の0.65米ドル前半から0.65米ドル半ばに上昇した。対円では95円半ばまで買われた。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 146.07/146.12 1.1734/1.1735 171.43/171.46

午前9時現在 145.86/145.90 1.1736/1.1738 171.21/171.22

NY午後5時 146.06/146.08 1.1707/1.1710 170.99/171.03

ロイター
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