銀行・信金の貸出平残、6月は最高更新 都銀等でM&Aの大口案件

7月8日、日銀が発表した6月の貸出・預金動向によると、銀行・信金計の貸出平残は前年比2.8%増の639兆7468億円だった。写真は円紙幣。2022年11月、都内で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Takahiko Wada
[東京 8日 ロイター] - 日銀が8日に発表した6月の貸出・預金動向によると、銀行・信金計の貸出平残は前年比2.8%増の639兆7468億円だった。残高は2000年1月以降の最高を更新した。M&A(企業の合併・買収)関連や不動産関連、経済活動の改善に伴う資金需要が続いている。日銀の担当者によると、都銀等ではM&A関連で大口の貸出が実行されたという。
業態別にみると、都銀等が2.2%増の256兆7890億円で、伸び率は前月の1.3%を大きく上回った。地銀・第二地銀は3.7%増の304兆6437億円で、残高は1991年7月以降の最高を更新した。信金は1.3%増。なお、米国の関税措置に伴う貸出への影響は現時点ではっきりとは見られていない。
<預金、信金は03年2月以来の前年比マイナス>
預金平残は、都銀・地銀・第二地銀の3業態と信金の合計で前年比0.8%増の1060兆7191億円となった。残高は4月に記録した2000年1月以降の最高に迫った。
このうち、信金は0.1%減の162兆2741億円。残高は高水準ながら、03年2月以来の前年比減少となった。相続や預かり資産の増加に伴い預金が目減りしている。
*日銀の発表資料は以下のURLをダブルクリックしてご覧下さい。
貸出・預金動向: http://www.boj.or.jp/statistics/dl/depo/kashi/kasi2506.pdf