ニュース速報
ビジネス

午後3時のドルは144円半ばで上値重い、FRBの独立性に懸念 

2025年06月26日(木)15時54分

 6月26日、午後3時のドル/円は144円半ばと、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安、円高の水準で上値が重い展開となっている。写真は1ドル紙幣。2021年11月撮影(2025年 ロイター/Murad Sezer)

Atsuko Aoyama

[東京 26日 ロイター] -

午後3時のドル/円は144円半ばと、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安、円高の水準で上値が重い展開となっている。トランプ米大統領が次期米連邦準備理事会(FRB)議長の早期指名を検討しているとの報道で、ドルが売られた。

前日の海外時間から売り地合いが続くドルは、日本時間の朝方に次期FRB議長の早期指名検討報道で下押し圧力がかかり、朝方の145円前半からじりじり水準を切り下げた。一方、ユーロはドルに対して1.171ドルまで買われ、3年9カ月ぶり高値を付けた。

北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で2035年までに加盟各国の防衛支出を国内総生産(GDP)比5%に引き上げる目標を承認し、「財政拡張の流れでユーロ買いが進んだ」(国内銀行の為替ディーラー)との見方がある。

イラン・イスラエル情勢を巡る懸念の後退でボラティリティーが低下し、「底流にあったドル離れ」(外資系証券幹部)が次第に浮彫りとなって、ドルが上がりづらい状況を作っているとの声が聞かれた。じわりと進むドル売りの一方で、ユーロが買われる背景に「欧州の投資家が自国通貨のヘッジを含め自国回帰している」(同)ことがあるとの見方だ。

ニッセイ基礎研究所の上野剛志・主席エコノミストは、次期議長の早期指名検討報道について、FRBを軽視するトランプ氏の姿勢は今に始まったことではなく「驚きはない」とする一方、金融政策の方向性や景気を除いて考えてもドル売りの材料が多いと指摘する。「米国には財政赤字や、常にトランプ氏が揺さぶりをかけるFRBの独立性の問題、米政権がドル安を志向しているとの思惑などがあり、ドルは基本的に買いづらい」としている。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 144.63/144.66 1.1684/1.1686 169.01/169.02

午前9時現在 144.90/144.94 1.1682/1.1685 169.30/169.31

NY午後5時 145.25/145.27 1.1659/1.1660 169.34/169.39

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

雇用市場減速しているがインフレ見通しは不透明=英中

ワールド

イラン最高指導者「米国が再び攻撃すれば反撃」、停戦

ビジネス

英シェル、BP買収報道を全面否定 英規則で今後6カ

ビジネス

中東紛争、金融市場は冷静に反応 成長に悪影響も=E
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係・仕事で後悔しないために
  • 3
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉仕する」ポーズ...アルバム写真に「女性蔑視」批判
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 6
    人口世界一のインドに迫る少子高齢化の波、学校閉鎖…
  • 7
    【クイズ】北大で国内初確認か...世界で最も危険な植…
  • 8
    「子どもが花嫁にされそうに...」ディズニーランド・…
  • 9
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事…
  • 10
    都議選千代田区選挙区を制した「ユーチューバー」佐…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 7
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 8
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 9
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 10
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中