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AI巡る著作権訴訟で米メタ勝訴、地裁「原告らが間違った主張」

2025年06月26日(木)12時23分

[25日 ロイター] - 米サンフランシスコの連邦地裁は25日、メタ・プラットフォームズがAI(人工知能)システムを訓練するために書籍を許可なく使用しているのは著作権侵害だと主張していた著者らの訴えを退けた。

ビンス・チャブリア判事は著者らが十分な証拠を提示しておらず、同社の行為が著作権法上違法であることを示すには不十分だと判断した。

一方で、AIを訓練するために著作権で保護された作品を許可なく使用することは、「多くの状況」において違法だとも指摘。アンソロピック社のAI訓練は著作権で保護された素材の「フェアユース(公正利用)」に当たるとした別の判事と判断が分かれた。

チャブリア氏は「この判決は言語モデルを訓練するためにメタが著作権で保護された素材を使用することが合法であるという意見を支持するものではない」と説明。「原告らが間違った主張をし、正しい主張を裏付ける記録を提出しなかった」ことによるものだとした。

著者グループの代理人は、メタによる「歴史的に前例のない著作物に対する海賊行為」という「議論の余地のない記録」があるにもかかわらず、裁判所が今回の判断に至ったことに不服を表明した。

メタの広報担当者は、判決を歓迎し、フェアユースは「変革的な」AI技術を構築するために「不可欠な法的枠組み」だと述べた。

フェアユースの法理は、状況によっては著作権所有者の許可なく著作物を使用することを認めている。

ロイター
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